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9月議会で一般質問(3)

Ⅰ 知事の政治姿勢等について(3)

3 「戸草ダム」の建設について

・ 田中知事は2001年に、戸草ダムの建設を中止する意思を国に示したため、戸草ダムの建設は進められなくなった。

・ 「令和2年7月豪雨」災害で熊本県では球磨川が氾濫して多くの犠牲者が出たが、蒲島知事は記者会見で「川辺川ダムも選択肢の一つ」と述べ「ダムによらない治水からの方向転換」を表明した。

・ 戸草ダムは事業着手からすでに30年余りが経過しているが、近年の気候変動のスピードは速く、早急に対応しなければ手遅れになることが懸念される。

Q1 田中知事の「脱ダム宣言」について、どのように評価しているのか。

A1(知事)

  問題提起としては意義があったと思う。ダムについては全否定・全肯定ではなく、それぞれの地域にあった適切な治水の手法を、流域全体でしっかり考えていくことが重要。

Q2 計画が中断している天竜川支流の三峰川上流の「戸草ダム」については、河川整備計画では「今後の社会経済情勢等の変化に合わせて建設時期を検討する」とされているが、近年の気候変動により災害リスクが増大しており、計画策定当時とは状況が大きく変化していることから、建設時期の検討に入るべきと考えるが?

A2(知事)

  「戸草ダム」が計画されている三峰川は天竜川の支川であり、沿線の治水対策上非常に重要な河川と認識。県としては、流域治水プロジェクトの策定推進を進めると同時に、河川整備計画に基づく対応を国に求めていく。

Q3 「気候非常事態」を宣言し、「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」を決意している県として、ダム建設時には水力発電所を建設することを提案するが?

A3(公営企業管理者)(写真は小林公営企業管理者)

  企業局は水力発電所の建設に積極的に取り組んでおり、全国的にも先進的。かつて「戸草ダム」建設の基本計画に発電事業者として参画した経緯、あるいは水力発電所の建設が未来への投資として、地域経済の活性化にも貢献することなども踏まえ、再び「戸草ダム」の建設に向けた動向が具体化すれば、発電事業者としてその役割を果たすべく総合的に検討した上で適切に判断していく。

※ 知事は「河川整備計画に基づく対応を国に求めていく」と答弁していることから、今後伊那市の期成同盟会による県や国交省への要請活動が重要になります。


9月議会で一般質問(2)

Ⅰ 知事の政治姿勢等について(2)

2 「地域発元気づくり支援金」について

・ 田中知事時代の2005年に「コモンズ支援金」が創設され、その後この支援金は「地域発元気づくり支援金」となり今日に至っているが、元の事業の創設からすでに15年が経過している。

・ この事業は県の施策としての目指す方向性が見えてこない、民間の力を活用する視点が不足しており、イベント支援補助金のようなものになっており課題がある。

・ 毎年8億5千万円もの一般財源を投入する県事業であることから、必要な見直しをすべきであるし、継続性や発展性が担保できる事業に重点的に支援すべき。

 Q1 「地域発元気づくり支援金」の成果と課題をどう捉えているか。また、県が重点的に推進する施策を実現するための有効な制度とするために、今後どのような方針で取り組むのか?

A1(知事)

  住民協働による主体的な取り組みが着実に進んでいる。しかし、県全域の重点テーマに沿った採択事業が全体の1割程度に留まっているなど課題もあり、今後より良い制度となるよう検討する。

Q2 県として住民協働により取り組むべき方向性を明確に示したうえで、対象事業をより重点化することを提案するが?

A2(企画振興部長)

  事業の募集に当たっては重点事業の趣旨を説明するなどして、重点的な事業や取り組みを進める。

Q3 民間の活力を活用する視点が重要であり、取組に対する専門的知見(アドバイザー)の活用などを促し、支援していくべきではないか?

A3(企画振興部長)

  各団体に対して、アドバイザーなどの専門的知見を得るための経費の活用を促す。

Q4 現在は調査研究や計画作成のみの事業は支援の対象外となっているが、支援対象と位置付けるべきでは?

A4(企画振興部長)

  事業の質の向上と持続可能な事業構築のための調査研究等は有意義であるため、どのような形でどういう条件を付して支援対象としていくか今後検討する。


9月議会で一般質問(1)

9月30日(水)に、9月議会定例会で一般質問を行いました。

今回はコロナの時代になり、リーダーの資質が問われていることなどから、知事の政治姿勢などについて質問しました。

質問・答弁の主な内容を数回に分けて報告します。

 

Ⅰ 知事の政治姿勢等について(1)

1 知事の政治姿勢について

・ コロナの時代を乗り切るには、時代にふさわしいリーダーが求められる。

・ 知事は県のリーダーとしての重い責任を果たしていかなければならないが、その責任を果たしていけるのか知事としての資質が問われる。

 Q1 阿部知事には知事に就任してから10年が経過したが、これまで知事として何を大切にして取り組んで来たのか、基本的な政治姿勢は? コロナ後の時代の地方行政におけるリーダーに求められる資質は何か?

A1(知事)

  約束を守る、強みを生かす、光が当たりにくいところに光を当てる、この3点を常に意識しながら県政に取り組んで来た。

必要なリーダーの資質は、先見性・政策実現力・人へ温かさがあることの3つ。 今後とも県政に対する責任感をしっかりと持ち、「しあわせ信州」の実現に向けて取り組んでいく。

 

Q2 阿部知事の政治の原点の一つは、田中知事時代に過ごした長野県時代にある。田中知事が県の総合計画審議会から「未来への提言」を受けて、「コモンズ」を施策の中心に据えて事業を行っていたことを、どのように評価しているのか。また、「コモンズ」に相当するフレーズとして、阿部知事が大切にしているものは何か?

A2(知事)

  「コモンズ」の考え方は内容的には先見性があり、今でも方向性としては役立つ概念が盛り込まれている。

知事としては、力強い「自治」が重要と考える。総合計画の中でも「学びと自治」を政策の推進エンジンと位置付けている。共感と対話を大切にしながら、「確かな暮らしの実現」に向けて取り組んでいく。