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米大統領広島訪問と福島

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5月27日(金)に、伊勢志摩サミットが閉幕し、オバマ米大統領は広島の平和記念公園を訪問しました(写真は昨年公園訪問時のもの)。

これは、核軍縮に向けた大統領の意思の表れでもあり、私は評価したいと思います。

米国は、広島と長崎に原爆を投下した後、核戦争の脅威が高まることを恐れ、原子力の平和利用を提唱しました。

そうした経過を経て、日本では平和利用の一環として原発を推進してきました。

そんな中で、3.11大震災と福島の原発事故がおきました。

唯一の被爆国であり、核の恐ろしさを知る日本で、再び核による被害が出てしまったことは、余りにも悲惨な出来事です。

今回の米大統領の広島訪問は国をあげて歓迎されましたが、これによって福島への思いが薄れてはいけないと思います。

福島はあの時から何も変わっていません。

今回の訪問の陰に、いつ自宅に帰れるか分からない多くの福島の人々がいることを、忘れてはいけないと思います。


広域連合ごみ処理施設建設に着手

28,5,21広域ごみ処理施設用地上伊那広域連合が伊那市富県桜井地籍に建設するごみ処理施設(ごみ焼却施設)の工事が着手されました。

この施設は、上伊那広域圏内にあった3つの老朽化した施設を、1か所に再編して新たに建設するものです。

用地の選定作業を始めてから、建設予定地の地元合意を受けた平成26年度までに、実に12年の期間を要しました。

施設の建設事業費は103億円で、平成26年度から31年度の6年をかけて建設するものです。

私は、伊那市の助役や副市長として、また上伊那広域連合の助役として、建設予定地の選定作業や建設予定地の地元合意を得るための協議などに、10年以上にわたって携わりました。

地元との様々な協議には長い期間がかかりましたが、伊那市の副市長を退任する前に地元の建設合意を得られたことは、大変ありがたいことです。

また、諸手続きや協議などは困難を極めましたが、これに従事した職員の皆さんは大変苦労しました。勿論、地元の皆さんの苦労も大変なものがあったと思います。

現在、建設予定地には土砂が盛土され、用地に隣接する三峰川の左岸堤防の整備工事や、施設への導入路の建設が進められています。(写真:水田の中で白く見える盛土された土地が建設予定地、その向こうに堤防の整備や道路建設工事が進む。)

公害を出さずにごみを適正に焼却処理するため、最新鋭の技術を駆使した施設が安全に建設されることを望みます。


奇跡の一本松

28,5,10奇跡の一本松5月10日(火)に宮城県気仙沼市の復旧・復興状況の調査を行いましたが、気仙沼市に隣接する岩手県陸前高田市も調査することができました。

気仙沼市を北上し陸前高田市に入ってしばらくすると気仙町の広田湾に面した海岸があり、そこに「奇跡の一本松」があります。

ここは津波で被害を受ける前は7万本もの松が生い茂り、「高田松原」として陸中海岸国立公園に指定された景勝地でした。

唯一津波に耐えて立ったままに残った1本の松(高さ28m)を保存しようという運動が立ち上がり、1億5千万円もの寄付を得てモニュメントとして再び元の位置に立てられています(写真は一本松と海側に築かれた巨大な堤防)。

この地域では14mもの津波に襲われ、集落が一瞬のうちに消滅してしまいました。

現在10m以上の盛土がされており、今後は公園や農地として整備されることになっています。

被害を受けた集落は、高台に集団移転することになっていますが、現在はほとんど移転が進んでいません。

湾内にある島の存在によって津波の力が弱められた気仙沼市と、直接津波の力を受けた陸前高田市では、被災と復興の状況がかなり異なります。

少しずつではありますが着実に復興が進んでいる気仙沼市に対して、陸前高田市では復興はこれからという状況です。

陸前高田市の皆さんには、津波に耐えて残った陸前高田市の一本松から、希望の象徴として勇気とエネルギーをもらい、震災に立ち向かって見事に復興を果たしていただきたいと願います。