月別アーカイブ: 2021年10月

議会決算委員会の調査を実施(2)

10月18日(月)は、会計局、環境部、流域下水道事業会計の調査です。

私が質問した事項や指摘した主な事項は、次のとおりです。

〇 環境部(写真)

Q1 環境保全研究所(安茂里庁舎)は施設が老朽化しており、過去において移転を検討した経過があるが、現状はどのような検討を行っているのか?

A1 水質に係る部門を諏訪湖環境研究センターに移転することになっており、関係する健康福祉部と施設のあり方を検討している。施設では薬品を取り扱うことから、移転するにしても移転先の土地利用上の規制(危険物に関するもの)についても併せて検討する必要がある。

Q2 県では太陽光発電の設置を推進しているが、一方で災害の心配や景観上の問題などで設置に反対する動きが県下各地にあり、こうしたことについても課題として決算調書に記述すべきではないか? 私は、問題のある施設については設置できないように、県が規制条例を制定すべきと考える。

A2 課題としては認識しているが、歳入歳出に直接関わる事項ではないため、調書には記述しなかった。(県の答弁は納得できるものではなく、重要な課題については調書に記述すべきと考えます。)

Q3 阿智村に産業廃棄物の処分場用地があるが、県外の処分地などで突然受入れを拒否される可能性もあることから、長期的視点に立って県として処分場を整備することを検討すべきではないか?

A3 用地取得当時には、県内にある処分場の容量が少なくなっている状況もあったが、現状では十分な容量が確保されていることから、当面は対応する必要が無いと考えている。

Q4 立科町の施設から流出した家畜糞尿の処理について、原因者が対応しないために県が平成28年に代執行した案件で、県として8百万円の請求権が生じているが、決算調書(債権欄)の記述に間違いがあるのではないか?

A4 全くのミスであり、ミスの処理について決算委員会に協議したい。(議会の審査を行うに当たり、ミスのある調書を提出することは、職員に緊張感が無いと言わざるを得ません。正誤表を委員会に提出すべきと考えます。)

 

 


議会決算委員会の調査を実施(1)

10月11日(月)・12日(火)の両日、議会決算特別委員会(12名)の現地調査があり、委員として参加しました。

決算委員会は、令和2年度に実施された事務・事業について、本庁と現地機関の調査を実施して決算の審査を行います。合計14日間をかけて調査や審査を行います。

決算委員会は、県の事務・事業が予算や法令に基づいて適正に行われているか、効率的に行われているかなどを審査し、その結果を次年度以降の予算や事業に反映していくために設けられています。

この委員会の審査結果が、議会として決算を認定するかどうかの判断の基本となります。

「執行済みの事業について審査しても意味がない」という人もいますが、予算や事業をより良いものにしていくためにも、議会の決算審査は非常に重要な仕事です。

今回は委員会を2つの班に分けて、諏訪・下伊那地域の県の機関を調査しました。私が所属した班の調査結果を、2回に分けて報告します。

11日は、諏訪地域振興局、茅野警察署、福祉大学校、諏訪湖流域下水道事務所などの調査です。

私が質問した事項や指摘した主な事項をあげてみます。

1 諏訪地域振興局(写真)

Q 8月と9月に起きた豪雨による岡谷市・茅野市の土石流を見ても、治山事業がいかに重要であるか理解できる。県ではこれまでの予算規模にかかわらず、防災上必要な個所にはしっかり予算を確保すべきである。

2 諏訪湖流域下水道事務所

Q 施設本体に関わる工事(3件、19億円余り)は、日本下水道事業団に随意契約で発注しているが、民間企業にも発注可能と考えるが、明確な理由は何か?

A 事務所に技術力を持った職員が少ないため、相手が特定される。

(酒井)それは納得できる理由とは思えない。


三峰川総合開発期成同盟会が総会

10月13日(水)に「三峰川総合開発事業促進期成同盟会」の総会が伊那市役所で開催され、同会の顧問として出席しました。

この会は上下伊那の市町村で構成され、美和ダム再開発事業と戸草ダム建設の促進を図るために設置されています(写真は美和ダムの放流の様子。三峰川総合開発工事事務所HPより)。

天竜川は「暴れ天竜」との異名があり、「天竜川を治めるには三峰川を治めよ」と言われており、三峰川の治水対策は大きな課題となっています。

昭和34年に三峰川総合開発事業の一環として美和ダム(伊那市長谷)が完成したことにより、三峰川下流域の安全性は高まりましたが、昭和36年の「三六災害」や昭和57年・58年の豪雨では大きな被害を受けたことから、美和ダム上流域の防災対策のために、多目的ダムである「戸草ダム」の建設が計画されました。

しかし、その後国や県の方針の転換があり、多目的ダムとしての「戸草ダム」の建設計画は中止となっています。「河川整備計画」では、戸草ダムについては「将来の社会経済情勢等の変化に合わせ、建設の実施時期を検討する」という方針が示されました。

私は、気候変動に起因する豪雨災害が多発する現状から、計画が中断している「戸草ダム」の建設に向けた検討を早急に始めることが重要だと考えます。

熊本県では球磨川が氾濫して甚大な被害が出たことから、過去に計画しながら中断していた「川辺川ダム」について、建設再開に向けた動きがあります。

「戸草ダム」の建設に関係する用地の取得は、既に完了しています。建設に協力して地域外に移転を余儀なくされた皆さんのことも考えると、何としても建設を実現しなければなりません。