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県議会委員会県外調査を実施(2)

4 公立大学法人宮城大学(宮城県黒川郡)

・ 学部は看護・事業構想・食産業の3学科制で、定員は1680人(長野県立大学は3学科定員240人)で、比較的規模が大きい公立大学です。

・ 学生の県内出身者は60~70%、卒業生の県内就職率は50%(看護学科は70%)です。卒業生の県外流出が見られます。

・ 私は、県内就職率が低い状況について質問したところ、学長は「県内就職率にはこだわっていない。学生には選択の自由があり、大学が誘導することはない。」と回答がありました。公立大学がこのような姿勢で良いのか、疑問に思います。

・ 宮城県議会と宮城大学は連携協定を締結しており、シンポジウムを開催しており、良い取り組みと考えます。

 

5 ワタミオーガニックランド(岩手県陸前高田市)(写真は、農場内のハウス。枠組みに地元産の木材を使用)

・ 東日本大震災で被災した区域の復興事業として、ワタミ㈱が取り組んでいます。

・ オーガニック(有機・循環社会)のテーマパークを目指しています。

・ 被災した土地に2mの盛土を行い、23haの敷地に農業テーマパークを整備します。

・ 敷地には、農地(畑)、牧草地、食の工房、農業ハウス、レストラン、研修施設、宿泊施設、音楽堂などを順次整備します。

・ 2021年に一部をオープンしましたが、施設の完成には20年を要します。

・ ソーラーシェアリングとして太陽光発電施設の下にブドウを植栽し、ブドウの栽培からワインの製造までの6次産業化を目指しています。

・ 将来は「修学旅行の聖地」(循環型農業、有機農業を学ぶ)を目指しています。

・ 壮大な計画ですが、是非成功させて欲しいと願います。


県議会委員会県外調査を実施(1)

11月7日(月)から9日(水)に、県議会県民文化健康福祉委員会の県外調査が実施され、委員として参加しました。

今回は、東北地方にある委員会に関係のある施設等を調査しました。主な内容を2回に分けて報告します。

 

1 山形大学医学部東日本重粒子センター(山形市)(写真は回転型照射室)

・ 世界初の総合病院と直接接続された重粒子線治療施設。

・ 重粒子線治療とは、放射線治療の一種で、炭素イオンをがんに照射します。

・ ①放射線に比べて破壊力が強い、②集中的に照射できるため周りの正常臓器にダメージが少ない、③照射回数が少なく概ね半分以下の期間で治療できる、などの特長があります。

・ 副作用が少ないという利点もあります。

・ がんによっては高額医療費制度が適用になり、自己負担が少なくて済みます。先端医療保険に加入していれば、保険給付の対象になります。

・ 他県の患者も受入れています。

 

2 宮城県美術館(県立、仙台市)

・ 教育普及活動の先駆的な取組に特長があり、創作室での体験活動も高く評価されています。

・ 当日は、オランダが生んだ巨匠(17世紀のバロック期を代表する画家)の絵画展が開催されており、県内外からの多くの来場者で混んでいました。

 

3 宮城県庁(仙台市)

・ 子ども・子育て施策について、特に少子化対策の先進的な取組を行っています。

・ 子育て支援策としての「どこでも授乳室プロジェクト」は、利用者から大変好評です。

・ 女性が活躍する社会づくりに関して、女性応援プロジェクト推進事業(若年層が県内に定着しやすい環境の整備)の取組は先進的です。

 

 

 

 

 


美和ダムの土砂堆積抑制施設が完成

11月6日(日)に、伊那市内で伊那市長谷地籍にある美和ダム(昭和34年竣工)の土砂堆積抑制施設(ストックヤード)の完成式(令和3年5月竣工)があり、地元県議として出席しました(写真は式典であいさつする国交省中部地方整備局長)。

この施設は、三峰川上流から流出した土砂を一時的に貯めて、ダム湖内の体積を抑制する施設です。

延長220m、幅40.5m、高さ5.5mのコンクリート製で、集積容量は3万㎥です。

三峰川は南アルプスを流下していますが、地質が脆弱なために、豪雨時には大量の土砂が流下して、このダムに一気に大量の土砂が堆積します。

堆積土砂を排除しなければ、ダムの洪水調整機能を維持することができません。

そこで、ダム湖に堆積した土砂を浚渫(しゅんせつ)して一旦ストックヤードに貯めておき、洪水時に水勢を利用して、ストックヤード内の土砂をバイパストンネル(既設)を通じてダム下流に排出します。

施設の建設は国交省三峰川総合開発工事事務所(伊那市長谷)が、美和ダム再開発事業の一環として行いましたが、こうした施設は国内初のもので、今後他のダムにも適用できます。

完成式典の中で関係者は、「三峰川上流域に建設を予定していた「戸草ダム」の計画が中断しているが、三峰川、天竜川更には諏訪湖の治水力向上のために、何としても建設を実現しなければならない。」と話していました。

私は、気候変動によりゲリラ的豪雨が多発している状況を見れば、戸草ダムの建設実現に向けて議員として努力しなければならないと考えます。