月別アーカイブ: 2020年8月

テニス大坂選手こそ世界チャンピオン

女子プロテニス選手で元世界チャンピオンの大坂なおみ選手(写真はHP)は、米国ウィスコンシン州で黒人男性が白人警官に襲撃された事件を受け、黒人差別への抗議の意思表示をするため、ニューヨークで開催中の大会を途中棄権することを表明しました。

これを受けて、大会主催者は試合の延期を決めました。大坂選手は、一度は棄権を表明しましたが、大会主催者が大会を中断してくれたことを評価し、大会に参加することが差別社会を無くすことにつながるとして、棄権を撤回しました。

大坂選手は、「私は、アスリートである前に黒人女性だ。テニスよりも重要なことがあると感じている。私がプレーしないことで劇的な変化が起きるとは思わないが、白人が多数を占めるスポーツの中で会話を始めることができれば、正しい方向へ踏み出せると思う。」と棄権の理由を説明しています。

今回の大坂選手の行動は、大変な勇気がいることですが、日本国籍の大坂選手の決断には拍手を送りたいと思います。

私は今回の行動を見て、大坂選手こそが世界チャンピオンだと思います。

大坂選手は、北海道出身の日本人の母親とハイチ共和国(中央アメリカ、西インド諸島)出身の父親の間に生まれ、かつては日米の2重国籍でしたが2019年に日本国籍を選択しました。

米国では黒人への差別が社会問題となっており、差別のない社会の実現が大きな課題となっています。

来る大統領選挙での黒人差別に関する候補者の発言にも注目が集まっており、民主党バイデン大統領候補はアジア系黒人のハリス上院議員を副大統領候補に指名しています。

アメリカでは、黒人差別のほか日本人を含む有色人種への差別意識が無くなってはいません。

第2次世界大戦では、日本は米国により2発の原子爆弾を投下され、甚大な被害を受けました。当時戦局は、原爆を投下しなくても日本は降伏する状況でしたが、あえて米国は大量破壊兵器である原爆の投下を実行しました。

この背景には、トルーマン大統領などの当時の最高権力者の、「日本人に対する人種的偏見があったから」と分析する著作もあります。

米国は一流の国であると言われていますが、未だに人種差別意識があるようでは2流の国と言わざるを得ません。中国の人権問題を言う資格はありません。

米国の黒人差別事件を見るにつけ、私は日本国内にあるあらゆる差別をなくすために、努力しなければならないと思います。

 


新型コロナと憲法改正

新型コロナの収束が見えない中で、憲法の改正に関する議論が自民党を中心に進められています。

自民党の改正案では、「緊急事態」に関する条項を新設することとしています。

それによると、外部からの武力攻撃、社会秩序の混乱、大規模な自然災害などの緊急事態において「緊急事態」を宣言し、政令を制定することができるとしています。

「緊急事態」では政府の権限は強化され、国民の私権は制限されます。

制定される「政令」は法律と同等の効果を持ち、罰則も設けられるものと見られています。

コロナ特措法に基づく「緊急事態宣言」は4月7日に、5月25日には「緊急事態解除宣言」が発令されました。

自民党ではコロナの「緊急事態宣言」発令を契機に、この際憲法改正における「緊急事態」条項に、感染症に関する「緊急事態」加える考え方が出されています。

コロナの感染が収束しない中で、外出や営業の自粛要請などではなく、より強硬な対策や私権制限を行うべきと主張する人もあります。

こうした議論を受けて、憲法改正の内容に感染拡大時の「緊急事態」を加えるべきという考え方が急遽出てきました。憲法改正における「緊急事態」の内容を国民がよく理解できない中で、国民に受け入れやすい感染症に関する「緊急事態」を加えようとするものです。

私は、感染症に関する「緊急事態」と憲法改正における「緊急事態」とは全く異なる性格であり、同列に議論すべきではないと考えます。

必要があればコロナの特措法を改正すれば、十分に対応できると考えます。

また、改正案では緊急事態宣言を発令した場合には、「衆議院は解散されず、両議院の議員の任期は特例を設けることができる。」とされています。これは緊急事態になれば衆議院議員の任期を延長し、国会で集中的に議論が行えるようにするものです。

国難と言われるコロナ禍では、政府は臨時国会召集の要請も拒否して閉会しているのに、感染症を加えた憲法改正案では国会の議論を行えるようにするというのは、全く矛盾していると考えます。

憲法改正の議論をする前に、コロナ収束と経済再生のための議論やコロナ特措法の改正に関する議論を優先して欲しいと思います。


新型コロナと献血

8月17日(月)に、伊那市役所で献血をしました(写真は献血バス)。

当日は、多くの市職員や市民の方々などが献血に協力していました。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、献血をする人が減少しています。

これは、外出の自粛やイベントの自粛、テレワークの推進などによるものと考えられます。

このままの状態が続けば、県内でも輸血用の血液の供給に影響が出てしまいます。

採決された血液は保存可能期間が短いため、常に一定程度の血液を確保しておく必要があります。

献血量の確保の如何に関わらず、輸血は適時に行わなければならず、保管血液量が不足することにでもなれば、まさに命にかかわる問題です。

特に近年は高齢のがん患者に対する輸血の需要が増えていることから、献血量を増やしていかなければなりません。

献血ができるのは、400㏄の場合男性は17歳~69歳、女性は18歳~69歳で、年間で男性は3回まで、女性は2回まで行えます(献血後3月経過していることが条件)。

私は、平成28年6月議会定例会で、献血推進について一般質問を行いました。全国的に若年層の献血者が少なく、県内では県立高校の献血実施校の割合が全国最低レベルであることから、献血推進の施策を強化するよう提案しました。

献血は事前予約ができるため、献血者が献血会場に集中することによる感染リスクを避けることができます。

献血は全く苦痛もなく短時間で終わり、血液検査の結果を知らせてもらえるので、自らの健康管理にも役立ちます。

献血は最高のボランティア活動です。是非多くの皆さんの協力をお願いします。