月別アーカイブ: 2020年8月

新型コロナのPCR検査と規制緩和

 新型コロナウイルスによる第2波(?)が襲来し、感染拡大が続いています。

感染拡大を防止するためにはPCR検査が効果的ですが、中々受けられないというのが実態です。

では、なぜ検査体制が拡大しないのでしょうか?

私は拡大しない事情として、日本では諸外国のような「自動処理分析装置」が普及しておらず、特殊の技術を持っている検査技師の手作業に頼っているため、多くの検体を扱えないことにあると考えています。

このことは国の専門家会議でも認めています。また機器があっても外国製のために機器に合う検査試薬が入手しにくいという事情もあります。

さて、8月から秋田県がPCR検査自動装置を導入することを決定したとの報道がありました。

この機器は、秋田県大館市にあるNPS社(親会社は千葉県松戸市にあるPSS社(プレシジョン・システム・サイエンス)が製造したもので、1台の価格は850万円(8検体用)と1250万円(12検体用)の2種類です(写真:PSS社HPより)。

PSS社は、すでに欧州など50か国以上でOEM(相手先ブランドによる生産。スイスのロシュ社・フランスのエリテック社などとも提携)により500台以上を供給しています。

ドイツやフランスなどでは、PSS社の技術を生かした自動装置により、大量にPCR検査を実施しています。

全自動のため、12検体の場合には2時間程度で結果が出ます。従来の方法によると6時間程度かかっています。検査人材の養成には時間がかかりますから、自動化装置は即戦力になります。

こんなに素晴らしい機器があるのに、なぜ日本では導入が進まなかったのでしょうか?

それは、国の財政的な支援がなかったことと、国が導入に積極的ではなかったこと、そして国の認証(装置と試薬の承認が必要)に時間がかかったことなどがあげられます。厚労省では導入は地方が判断すべきなどと、呑気なことを言っているようです。

私は検査を拡大するために、自動検査装置の導入を進める必要があり、そのためには国(厚労省)の規制を緩和することが重要と考えます。

今は国難ですが、コロナ対策に関して国の規制緩和が進んでいないと感じます。以前安倍首相は「加計学園」獣医学部の開設に関しては、特区により岩盤規制を改革するという強い意志の下で、スピード感をもって対応し開設につなげました。

国難であるからこそ、スピード感をもって積極的に必要な規制緩和して欲しいと思います。また、任意の検査に対する財政支援も是非実現して欲しいと思います。


医療機関で防護具が不足

信州大学が7月に県内の医療機関を対象に行った調査によると、高性能マスク(N95マスクなど)などの防護具が不足していることが分かりました。

医療機関では、防護具としてマスク、フェイスシールド、ガウン、ゴム手袋などを使用しています。

厚労省では、必要に応じて防護具を医療機関に提供する「医療機関等情報支援システム」を運用しており、必要に応じて医療機関に配布しています。

厚労省では、システムにより医療機関の防護具の確保状況を見て都道府県に配布し、都道府県から医療機関に配布することになっています。

しかし、厚労省ではN95マスクについては世界中で需要が高まっており、全体量が少ない状況を把握しています。

そこで厚労省は、N95マスクについては例外的な扱いを認めており、消毒による再利用や必要な場合には有効期限に関わらず利用するとしており、一般的には考えられない状況です。

また、重症患者への対応に欠かせない不織布のフード付き防護服は、国からの配布対象外になっており、各医療機関は独自に入手するしかないため大変苦労しています。

厚労省では、医療機関へは防護具が行き渡っているとしていますが、現場では大変な状況が続いていることが、今回の調査で明らかになりました。

先日の8月11日には、コロナ対策に関して県議会の健康福祉委員会(酒井は委員長)の閉会中の審議が行われましたが(写真)、こうした状況について担当からは説明がありませんでした。

県は重要な情報を正確に議会に伝えなければなりません。

第2波が襲来して医療現場では大変な苦労を余儀なくされるわけですが、現場での基本である防護具の確保は国や県の責任で行うべきと考えます。

感染者への十分な医療提供ができるよう、少しでも医療機関の負担を少なくするために支援するのが行政の役割です。

こんな国難の時に国会は閉会しており、コロナ対策に関する議論は行われていませんし、野党からの憲法に基づく臨時国会の召集要望にも、政府与党は応える気配はありません。

知事会では強制力を持つ休業要請などに関して特措法の改正を求めていますが、政府は「コロナが収束した後に検討する」などと気楽なことを言っています。法改正の検討は今必要なのであり、収束してからでは手遅れになります。

国民の安全安心を実現するために、国会や国にはしっかりと役割を果たして欲しいものです。


コロナ対策を議会委員会で審議

8月11日(火)に県議会の健康福祉委員会が開催され、委員長として出席しました。

当日は定例議会の会期外のため、特別に「閉会中の審査」を行うために開催したものです。

当日は、新型コロナ対策に関係する事項について担当から説明を受け、その後質疑討論や提案を行いました。

8月1日には県健康福祉部内に新たに「感染症対策課」を設置しましたので、この課の業務や組織についても説明がありました。

この件については、私の6月議会定例会の一般質問での提案を受けて県が早速設置設置したもので、私としても県の対応を評価します。

課の業務は新型コロナを含む感染症対策全般に関することで、職員数は61名、うち感染に関する専門的な業務を行うために医師1名を配置しました。

県では、今後の感染者の増加に対応するため検査体制を強化(1日最大1040件)します。しかし、個人の希望に応じた検査までは体制が整っていません。

また感染者に対する医療のために、入院施設350床と軽症者のための宿泊施設250室、計600人分の受入態勢を整えつつあります。

県内では現在感染が拡大しており気が抜けませんが、3密を避けることや会食を行う場合の感染予防の実施、感染拡大地域との交流を自粛したり、お盆の帰省を自粛することなどの対策が重要です。

私もお盆には都会にいる孫の顔を見たいのですが、感染防止のために帰省しないことになっていますので、ネットを通して交流するつもりです。

今年のお盆には先祖を家に迎え、祖父母や父をはじめ先祖との交流を楽しみたいと思います。 施設に入所している母とは感染防止のために面会ができませんが、こちらもZOOMによる面会をする予定です。

当日は自民党県議団の政調会(私は副会長)を開催し、コロナの感染拡大防止やコロナに関して追加して行うべき県の施策について、知事に要望を行うための協議を行いました。