月別アーカイブ: 2018年10月

9月議会で一般質問(5)

10月10日(水)に行った9月議会一般質問の、私の質問と知事等の答弁の内容を報告します。

第5回目(最終回)は、「公文書管理条例」についてです。

2 「公文書管理条例」案について

Q1 長野県ならではの、今後の他の自治体のモデルとなるような条例を制定すべきと考えるが、どのような条例を目指すべきと考えているのか?

A1(知事)

   実効性が高く仕事改革・働き方改革に繋がるような未来志向の条例を目指す。

公文書の保存区分や分類基準の明確化等の管理の適正化、情報共有・活用推進による事務の効率化、意思決定の迅速化等を図るため公文書の電子化や集中管理の推進にも努める。

新たに制定する条例が、「公文書管理条例」の全国的なモデルとなり得るようしっかり検討を進める。

3 公文書の廃棄について

Q 県が条例を制定する場合、「重要な公文書の廃棄に当たっては、複数の部署によるダブルチェックにより廃棄の可否を判断する」旨を内容とする規定を設けるべきと考えるがどうか?

A(総務部長)

  重要な公文書は厳格な対応が求められ、異なる部署によるダブルチェック手続きは有効な手法と考える。

公文書の廃棄の適正化のための手法については、専門家の意見を聞きながらしっかり検討していく。

4 「公文書管理条例」と罰則規定について

・ 森友問題における文書管理に関して、「公文書管理法」が存在しながら、官僚により文書を廃棄したり改ざんするという事態に至ったが、それは公文書管理法違反に関する罰則が規定されていなかったことが原因と考える。

 Q 「公文書管理条例」の実効性を担保するために、条例に違反した場合の罰則規定を設けるべきと考えるがどうか?

A(総務部長)

  公文書の不適正な取扱いに対して、厳正に対処しその抑止を図ることは極めて重要。

国では様々な問題を受け、懲戒処分の指針を改正したが、公文書管理法には罰則規定は設けていない。

条例案の作成に際し、この問題については国や他県の動向も踏まえながら慎重に検討していく。


9月議会で一般質問(4)

10月10日(水)に行った9月議会一般質問の、私の質問と知事等の答弁の内容を報告します。

第4回目は、「公文書管理条例」についてです。

1 「公文書管理条例」の制定について

・ 私は6月議会の一般質問で「公文書の管理」について取り上げ、県として「公文書管理条例」を早急に制定することを提案した。 

・ この提案に対する知事の答弁は、「条例化することが必要かどうかも含めて検討する。」というものであった。

・ その後、県知事選挙があり、知事は「公文書の管理に関する基本的な事項について定める「公文書管理条例」の制定を検討する。」という公約を掲げた。

Q1 6月議会の私の一般質問に対する答弁と比較して、知事の選挙公約は相当前向きなものになっていると受け止めるが、この公約を掲げるに至った理由及び基本的な考え方はどうか?

A1(知事)

   8月の県知事選挙に向けて基本政策集・公約を検討していく中で、県議会での酒井議員の提案が参考になった。

適切な公文書の管理は、開かれた県政の基本。

公文書管理の適正化に向け、その基本的事項については県民の代表である県議会に議決された上で条例として定めることが適当と考えた。

Q2 選挙公約を早期に実現するため、1年後の来年9月の定例会までに条例案を議会に提出すべきと考えるが、条例制定に関する今後のスケジュールをどう想定しているのか?

A2(知事)

   公文書に関わる業務全般の改善を図ることも重要であり、単に文書の扱いだけでなく仕事の仕方も含めて幅広い観点で検討を行い、見直しの方向性を本年度中に取りまとめる。

その上で、県議会をはじめ広く県民の意見を聞き、また専門家の意見も求めながら検討を進める。

2020年度の当初から施行できるよう来年度中には条例案を提案する。


9月議会で一般質問(3)

10月10日(水)に行った9月議会一般質問の、私の質問と知事等の答弁の主な内容を報告します。

第3回目は、「医師の確保について」です。

2 「総合診療医」の養成について

・ 医学の発展とともに診療科が専門分化され過ぎた今日、特定の臓器や疾患に限定することなく、幅広い視野で患者を診る医師の必要性が高まっている。

・ 「総合診療医」としてのメリットを発揮している例として、伊那市長谷にある「美和診療所」がある。この診療所には、鍼灸治療所が併設されており、地域住民の健康増進に大きく寄与している。

Q1 知事が難病にかかった経験も合わせて、「総合診療医」の必要性についてどのように認識しているのか?

A1(知事)

病気にかかった当初、大きな病院の各診療科の全てを受診したが、病名が分からなかった。それぞれの医師は臓器の専門だが、患者の全体の症状をみて診断することが、難しかったと受け止めている。患者の症状を総合的に判断し、適切な初期対応を行うことができる「総合診療医」の存在は、これから極めて重要。特に長野県のように県土が広く中山間地に集落が点在する地域においては、ますますそうした医師が重要になってくる。

Q2 県では「信州型総合医」を養成してきたが、これまでの成果をどう分析しているのか?

A2(知事)

平成26年度から「信州型総合医」の養成に取り組み、平成29年度末までに18名が研修を修了しているが、「総合診療医」の養成に向けた県全体の機運を高めることに繋がった。

Q3 「総合診療医」の養成には、県による人的・経済的な支援が欠かせないが、今後どのような支援策を講じていくのか?

A3(知事)

医学系雑誌等に「総合診療医」に関する長野県の取り組みを掲載するなど「総合診療医」を養成する県内の基幹施設に、一人でも多くの専門医・専攻医を確保できるよう取り組んでいる。実際に受診した患者の診察を通じて、外来診療を医学生と研修医と指導医がチームで学ぶ取り組みを信州大学と連携して実施している。引き続き「総合診療医」の養成を支援していく。