高烏谷山(たかずやさん)の麓では山桜や新緑が大変美しく、気温も上がって気持ちよく歩くことができました。
麓の集落の中のあるお宅では、こいのぼりが飾ってありました。こいのぼりと家のたたずまいが見事に調和しており、はるか彼方には残雪が輝く中央アルプスが見え、田舎ならではのすばらしい景観を形成していました(写真)。
22日は、伊那市長選挙の投票日でした。3名が立候補し、激しい選挙戦が繰り広げられました。
市長選挙と一緒に告示された市議会議員選挙は、定数21人に対して立候補者が21人となり、無投票で全員の当選が決まりました。
無投票は避けるべきとの声があります。候補者の行政に対する考え方や人間性、人柄などが分からず、最も大切な公約を知ることができなくなります。
地域の課題が浮き彫りにされず、課題解決のための政策論争も起きにくくなります。
一方、議員はお金がかかると言われています。議員になると格段に交際範囲が広がります。
本来は真の意味の議員活動で勝負すべきであるのに、どちらかというと後援会活動に一生懸命になってしまいます。
議員としていい仕事をすることより、地区のイベントなどに顔を出して、握手して回ることの方が、地域から評価を受けることもあるのです。
そうした現実の中で、高い意思を抱いて選挙にチャレンジしようとする人が少なくなっています。
無投票だから定員を減らせばいいという単純な考えだけでは、議会は活性化しません。
優秀な議員が当選し、住民福祉の向上のため、地域活性化のために議員活動を活発に行うことが求められます。
本来の議員活動とは、執行部に対するチェック機能と政策提案の2つを指します。この活動を行うために、議会活動報告会を開催して地域の皆さんの意見を聞いたり、普段から調査研究を行うことが重要です。
また、法律や条例の勉強や予算や制度・政策の調査、国政や経済の動向も把握しておくことも欠かせません。
議員となる候補者が出やすくする一つの方法として、カネのかからない選挙や後援会活動を行うのも、有効な方法だと思います。
例えば、選挙事務所における食事の提供をしないことも効果があります(法律上は、食事の提供は禁止されています。)。
できることから取り組んで行かないと、いつまでたっても無投票という状況を改善することはできないと思います。
地域の悪しき慣習を改善していくことも、無投票を防ぐことにつながると考えます。