月別アーカイブ: 2017年8月

県議会・委員会現地調査を実施(2)

 

7月27日(木)・28日(金)の2日間にわたり、県議会文教・企業委員会の現地調査が行われ、委員として参加しました。

今回は、東北信地域の県現地機関や委員会関連の事業実施箇所などを調査しました。

事業実施箇所の概要について、5回に分けて報告します。

第2回目は、県立上田養護学校です。

上田養護学校には、小学部・中学部・高等部があり、全校で児童生徒数は212人、職員数は142名です。

昭和54年に開設してから児童生徒数が増加したため、これまで3回にわたり増築工事を実施しました。

施設整備も順次進められ、エアコンは寄宿舎の全室に完備しています。トイレは洋式化を進めており、全体で73%、教室は90%が完了しています。

校舎や廊下などは、冬の寒さ対策も講じられており、参考になりました。

私の地元に伊那養護学校がありますが、冬季には校舎全体が大変寒く、トイレの洋式化も中々進まないなど、上田養護学校に比べて施設整備が遅れている状況が分かりました。

地元議員としても、学校の環境改善に向けてしっかり活動をしていかなければならないと思いました。


県議会・委員会現地調査を実施(1)

7月27日(木)・28日(金)の2日間にわたり、県議会文教・企業委員会の現地調査が行われ、委員として参加しました。

今回は、東北信地域の県現地機関や委員会関連の事業実施箇所などを調査しました。

事業実施箇所の概要について、5回に分けて報告します。

第1回目は、佐久市にある県立望月高校です。

調査に入る前に、「佐久市・もちづき教育未来会議・望月高校同窓会」から「望月高校の存続に関する陳情書」が議会文教・企業委員長あてに提出されました。

県では、現在第1期の高校再編計画を実施中(平成29年度まで)ですが、県の基準に該当すると再編の対象になります。

基準によると、2年連続で全校生徒数が160人以下の高校が対象になり、望月高校は2年連続で156人であったため、基準に該当します。

この基準は、少子化が進み学校規模が小さくなった場合に、生徒への学習が十分には保障できなくなることから、一定規模以下の高校を再編するために設けられたものです。

再編対象になった場合、分校化・他校との統合・募集停止の中から選択することになります。

地域の皆さんには、「高校が無くなることは地域の衰退につながる」との懸念の声があります。

一方、「少子化が進めば、単独で存続してもいずれは立ち行かなくなる。分校化した上で、特色ある授業を進めることを考える方が現実的」との声もあります。

議会としても、地域の思いや実態、今後の地域の高校生にとってどうあるべきかなどについて総合的に検討しますが、難しい判断を迫られます。


議員研修に参加

7月25日(火)に、東京でセミナーが開催され参加しました。

研修は、立命館大学政策科学部教授森裕之氏による自治体財政についての講義です。主な内容は、次のとおりです。

① 地方創生について

・ 地方創生の国の狙いは、高齢化が進み医療・介護人材が不足するなど多くの問題が生じる東京圏の対応で、地方の創生は二の次。地方では人口減少に即したまちづくりが目的。

・ これからの地方は、確かな根拠に基づいて政策立案し、強みと弱みをしっかり分析して、強みを伸ばし弱みを補う取り組みを行うことが求められる。議会は確かな根拠に基づいて政策立案をしているか、チェックすることが重要。

 ・ 地方創生ではコンパクトなまちづくりを目指しているが、地方ではどうしても周辺部に住み続ける人が残る。この人々への対応(看取りなど)が一番重要な課題で、周辺部に住み続ける人々を支える仕組み作り(特にコミュニティ)が重要。

② 地方交付税について

・ 国は地方交付税の総額を抑制するため、トップランナー方式(施設運営等のコストを全国平均の数値を用いずに、安価にできる自治体の例を参考にする方法)に移行しようとしており、注意が必要。

・ 各自治体の地方交付税の算定基礎に人口を使用しているが、今後人口が減れば交付税額が減少することを承知すべき。

・ 地方交付税(所得税・酒税・消費税などが財源)の財源不足のため、交付税の不足分を自治体は「臨時財政対策債」(起債)を発行し、返済は国と地方が折半しているが、本来は国が全額を負担すべきもの。

③ 今後の地方財政の留意点

・ 国は地方財政政策について、地方創生への重点化を強めており、自治体財政が地方創生政策に一層引きずられていく(引きずられないような財政運営が求められる。)。

研修を終えて考えたことは、私たち地方議員は地方財政制度をしっかり勉強し、交付税制度や地方創生事業などの本質や裏に隠されているものを理解し、その上で行動しなければならないということです。

私は伊那市職員時代に、7年間財政課で予算・決算や地方財政制度に、7年間企画課で総合計画策定・ふるさと創生事業・合併問題などに関わり、地方行財政制度はある程度は理解しているつもりですが、法律や制度は常に変化しており、常に勉強をしなければならないことを、改めて感じました。