テニス大坂選手こそ世界チャンピオン

女子プロテニス選手で元世界チャンピオンの大坂なおみ選手(写真はHP)は、米国ウィスコンシン州で黒人男性が白人警官に襲撃された事件を受け、黒人差別への抗議の意思表示をするため、ニューヨークで開催中の大会を途中棄権することを表明しました。

これを受けて、大会主催者は試合の延期を決めました。大坂選手は、一度は棄権を表明しましたが、大会主催者が大会を中断してくれたことを評価し、大会に参加することが差別社会を無くすことにつながるとして、棄権を撤回しました。

大坂選手は、「私は、アスリートである前に黒人女性だ。テニスよりも重要なことがあると感じている。私がプレーしないことで劇的な変化が起きるとは思わないが、白人が多数を占めるスポーツの中で会話を始めることができれば、正しい方向へ踏み出せると思う。」と棄権の理由を説明しています。

今回の大坂選手の行動は、大変な勇気がいることですが、日本国籍の大坂選手の決断には拍手を送りたいと思います。

私は今回の行動を見て、大坂選手こそが世界チャンピオンだと思います。

大坂選手は、北海道出身の日本人の母親とハイチ共和国(中央アメリカ、西インド諸島)出身の父親の間に生まれ、かつては日米の2重国籍でしたが2019年に日本国籍を選択しました。

米国では黒人への差別が社会問題となっており、差別のない社会の実現が大きな課題となっています。

来る大統領選挙での黒人差別に関する候補者の発言にも注目が集まっており、民主党バイデン大統領候補はアジア系黒人のハリス上院議員を副大統領候補に指名しています。

アメリカでは、黒人差別のほか日本人を含む有色人種への差別意識が無くなってはいません。

第2次世界大戦では、日本は米国により2発の原子爆弾を投下され、甚大な被害を受けました。当時戦局は、原爆を投下しなくても日本は降伏する状況でしたが、あえて米国は大量破壊兵器である原爆の投下を実行しました。

この背景には、トルーマン大統領などの当時の最高権力者の、「日本人に対する人種的偏見があったから」と分析する著作もあります。

米国は一流の国であると言われていますが、未だに人種差別意識があるようでは2流の国と言わざるを得ません。中国の人権問題を言う資格はありません。

米国の黒人差別事件を見るにつけ、私は日本国内にあるあらゆる差別をなくすために、努力しなければならないと思います。