新型コロナと介護

新型コロナの感染拡大は、様々な分野に影を落としています。

私の母は、5年前から老人介護施設でお世話になっています。それまでは、デイサービスやショートステイを利用していました。本当に親切に介護をしていただき、ありがたく思っています。

施設で暮らしていると、四季の変化や世の中の様子などに疎くなります。新型コロナのことも、実感できないかも知れません。5月は新緑の美しい季節ですが、自然を満喫することもできません。

先日家から出て富県方面の山すそをウォーキングしましたが、花桃が美しく咲き誇る場所を見つけました(写真)。母に、見せてあげたいと思いました。

母の入所施設では、コロナ対策には大変な神経を使っています。施設内集団感染を防ぐために、あらゆる対策を取っています。当然、面会は禁止です。

過日、厚労省から高齢者施設のデイサービスとショートステイに関する調査結果が公表されました。それによるとコロナの感染拡大に伴い、全国では実に858事業所(長野県では7事業所)が休業をしています。休業の主な理由は感染防止で、多くの場合は自主的な判断によるものです。

コロナの特措法は、緊急事態宣言の発令地域では、蔓延防止のためにデイサービスとショートステイを行う事業に対しては、知事が休業を要請できると規定しています。

休業により、本人の体調が悪化したり、家族の不安や負担が増加するなど、大きな影響があります。

このため県では、休業に伴いデイサービス等の代替サービスを実施する事業者に対して、助成する制度(補助率10分の10)を作りました。

施設の職員の皆さんは、感染の恐怖に耐えながらも日夜本当に頑張っています。慢性的に職員数が十分ではない中で、コロナ対策で職員の負担は更に大きくなっています。

高齢者施設の抱える最大の課題は人材確保です。人材確保が進まない理由に、他の仕事に比べて給与水準が低いこともあります。

介護は、直接人に触れサービスを提供する崇高な仕事です。とてもやりがいのある仕事ですが、まだまだ社会の理解が十分ではありません。

国には人材確保のための施設への様々な支援策を充実するとともに、職員の待遇改善を進めて欲しいと思います。