アベノミクスの終焉

安倍首相が8月28日に退陣を表明しました。

突然のことですが、病気が原因とのことであり仕方がないことです。

長きにわたり日本の発展のためにご苦労されたことに敬意を表したいと思いますし、一日も早い快復を祈ります。

これにより安倍政権の看板政策であった「アベノミクス」も終わることになります。

この政策については様々な評価がありますが、コロナもあって目立った成果をあげることができなかったと言われています。

首相も政府も、当初はアベノミクスの成果を声高に主張していましたが、政権の後期にはあえて口にしなくなりました。

すでに景気は後退期に入っており、経済はコロナにより急速に悪化し、加えて国は巨額な借金を抱えています。

政府はこれまで「1億総活躍」「女性活躍」「介護離職ゼロ」「待機児童ゼロ」「美しい国づくり」「デフレ脱却」「地方創生」「三本の矢」「働き方改革」などの様々な看板政策とスローガンを掲げてきましたが、どれも中途半端に終わってしまったとの声もあります。

耳障りの良いスローガンが多かったような気もします。

特に「アベノミクス」は最も力を入れた政策であり、最も頻繁に発信したスローガンでしたが、掛け声倒れの感もあったとの評価もあります。

私は、政策にキャッチフレーズを付けてアピールすることはとても良いと考えますが、トップの名前を冠にした施策というのはいかがなものかと思います。

もし菅官房長官が総理になったときには、経済政策は「スガノミクス」とでも命名するのでしょうか。

取り巻きの政府高官には、そんなことに頭を使わないで欲しいと思います。

政策はトップのために行うものではなく、国民のために行うものです。ましてや財源はトップのお金ではなく国民の血税です。

私は、施策は愛称ではなく実態で勝負し、目に見える成果をあげて欲しいと思います。

ちなみに、長野県政では阿部知事の名前を使って「アベノ〇○○」のような施策の愛称はありませんし、阿部知事はそうしたことを嫌う人です。


テニス大坂選手こそ世界チャンピオン

女子プロテニス選手で元世界チャンピオンの大坂なおみ選手(写真はHP)は、米国ウィスコンシン州で黒人男性が白人警官に襲撃された事件を受け、黒人差別への抗議の意思表示をするため、ニューヨークで開催中の大会を途中棄権することを表明しました。

これを受けて、大会主催者は試合の延期を決めました。大坂選手は、一度は棄権を表明しましたが、大会主催者が大会を中断してくれたことを評価し、大会に参加することが差別社会を無くすことにつながるとして、棄権を撤回しました。

大坂選手は、「私は、アスリートである前に黒人女性だ。テニスよりも重要なことがあると感じている。私がプレーしないことで劇的な変化が起きるとは思わないが、白人が多数を占めるスポーツの中で会話を始めることができれば、正しい方向へ踏み出せると思う。」と棄権の理由を説明しています。

今回の大坂選手の行動は、大変な勇気がいることですが、日本国籍の大坂選手の決断には拍手を送りたいと思います。

私は今回の行動を見て、大坂選手こそが世界チャンピオンだと思います。

大坂選手は、北海道出身の日本人の母親とハイチ共和国(中央アメリカ、西インド諸島)出身の父親の間に生まれ、かつては日米の2重国籍でしたが2019年に日本国籍を選択しました。

米国では黒人への差別が社会問題となっており、差別のない社会の実現が大きな課題となっています。

来る大統領選挙での黒人差別に関する候補者の発言にも注目が集まっており、民主党バイデン大統領候補はアジア系黒人のハリス上院議員を副大統領候補に指名しています。

アメリカでは、黒人差別のほか日本人を含む有色人種への差別意識が無くなってはいません。

第2次世界大戦では、日本は米国により2発の原子爆弾を投下され、甚大な被害を受けました。当時戦局は、原爆を投下しなくても日本は降伏する状況でしたが、あえて米国は大量破壊兵器である原爆の投下を実行しました。

この背景には、トルーマン大統領などの当時の最高権力者の、「日本人に対する人種的偏見があったから」と分析する著作もあります。

米国は一流の国であると言われていますが、未だに人種差別意識があるようでは2流の国と言わざるを得ません。中国の人権問題を言う資格はありません。

米国の黒人差別事件を見るにつけ、私は日本国内にあるあらゆる差別をなくすために、努力しなければならないと思います。

 


新型コロナと憲法改正

新型コロナの収束が見えない中で、憲法の改正に関する議論が自民党を中心に進められています。

自民党の改正案では、「緊急事態」に関する条項を新設することとしています。

それによると、外部からの武力攻撃、社会秩序の混乱、大規模な自然災害などの緊急事態において「緊急事態」を宣言し、政令を制定することができるとしています。

「緊急事態」では政府の権限は強化され、国民の私権は制限されます。

制定される「政令」は法律と同等の効果を持ち、罰則も設けられるものと見られています。

コロナ特措法に基づく「緊急事態宣言」は4月7日に、5月25日には「緊急事態解除宣言」が発令されました。

自民党ではコロナの「緊急事態宣言」発令を契機に、この際憲法改正における「緊急事態」条項に、感染症に関する「緊急事態」加える考え方が出されています。

コロナの感染が収束しない中で、外出や営業の自粛要請などではなく、より強硬な対策や私権制限を行うべきと主張する人もあります。

こうした議論を受けて、憲法改正の内容に感染拡大時の「緊急事態」を加えるべきという考え方が急遽出てきました。憲法改正における「緊急事態」の内容を国民がよく理解できない中で、国民に受け入れやすい感染症に関する「緊急事態」を加えようとするものです。

私は、感染症に関する「緊急事態」と憲法改正における「緊急事態」とは全く異なる性格であり、同列に議論すべきではないと考えます。

必要があればコロナの特措法を改正すれば、十分に対応できると考えます。

また、改正案では緊急事態宣言を発令した場合には、「衆議院は解散されず、両議院の議員の任期は特例を設けることができる。」とされています。これは緊急事態になれば衆議院議員の任期を延長し、国会で集中的に議論が行えるようにするものです。

国難と言われるコロナ禍では、政府は臨時国会召集の要請も拒否して閉会しているのに、感染症を加えた憲法改正案では国会の議論を行えるようにするというのは、全く矛盾していると考えます。

憲法改正の議論をする前に、コロナ収束と経済再生のための議論やコロナ特措法の改正に関する議論を優先して欲しいと思います。