三峰川総合開発期成同盟会が総会

10月13日(水)に「三峰川総合開発事業促進期成同盟会」の総会が伊那市役所で開催され、同会の顧問として出席しました。

この会は上下伊那の市町村で構成され、美和ダム再開発事業と戸草ダム建設の促進を図るために設置されています(写真は美和ダムの放流の様子。三峰川総合開発工事事務所HPより)。

天竜川は「暴れ天竜」との異名があり、「天竜川を治めるには三峰川を治めよ」と言われており、三峰川の治水対策は大きな課題となっています。

昭和34年に三峰川総合開発事業の一環として美和ダム(伊那市長谷)が完成したことにより、三峰川下流域の安全性は高まりましたが、昭和36年の「三六災害」や昭和57年・58年の豪雨では大きな被害を受けたことから、美和ダム上流域の防災対策のために、多目的ダムである「戸草ダム」の建設が計画されました。

しかし、その後国や県の方針の転換があり、多目的ダムとしての「戸草ダム」の建設計画は中止となっています。「河川整備計画」では、戸草ダムについては「将来の社会経済情勢等の変化に合わせ、建設の実施時期を検討する」という方針が示されました。

私は、気候変動に起因する豪雨災害が多発する現状から、計画が中断している「戸草ダム」の建設に向けた検討を早急に始めることが重要だと考えます。

熊本県では球磨川が氾濫して甚大な被害が出たことから、過去に計画しながら中断していた「川辺川ダム」について、建設再開に向けた動きがあります。

「戸草ダム」の建設に関係する用地の取得は、既に完了しています。建設に協力して地域外に移転を余儀なくされた皆さんのことも考えると、何としても建設を実現しなければなりません。

 


9月議会が閉会

10月8日(金)に9月議会(最終日)が開催され、議会に提案された議案や請願・陳情のなど採決が行なわれ、閉会しました。

知事提出の13議案は、すべて原案のとおり可決されました。

主な議案は一般会計補正予算案で、コロナ対策や8月・9月の豪雨災害対策など335億円の補正額です。

また、私が委員長を務める総務企画警察委員会は「ミャンマーの軍事クーデターを非難し、民主的な政治体制の早期回復を求める意見書」案を当日の議会に提案し、全会一致で可決されました。

意見書は、両院議長、総理大臣、外務大臣に送付されます。こうした意見書を国の機関に送ることは、県議会の重要な仕事の一つです。

今議会では、議員提案の「盛土の安全性に関する法整備を求める意見書」案など全部で8つの意見書案が可決され、それぞれ該当する国の機関に送付されます。

議会の会期中は議員会館に宿泊し、早朝はウォーキングに善光寺まで出かけましたが、8日には善光寺前にある宿坊の玄関前の植込みに秋を感じました(写真)。

柿の実が色づき、キンモクセイも満開の花を咲かせて芳ばしい香りを漂わせ、楓の葉が色づき始めています。

これからの善光寺一帯は周りの山の紅葉が見られるようになり、素晴らしい秋を満喫することができます。

9月議会が終わるとすぐに、11月議会に向けた準備を始めます。一般質問を行うための情報や関係書籍を入手して、それらを勉強するところから始まります。


盛土に関する意見書を可決

10月1日に開催された県議会で、議員提案により盛土に関する意見書案(議案)が提出され、全会一致で可決しました。

この意見書は正式には「盛土の安全性に関する法整備を求める意見書」で、国会と政府に対して送付されます。

今年7月に静岡県熱海市で発生した土石流の起点付近において、盛土が確認されたことから、長野県では盛土の流出により土砂災害が発生するおそれがある箇所の緊急点検を実施しています。

熱海市の災害を受けて、盛土の安全性を確保する声が高まっていますが、宅地造成の場合は安全対策を義務付ける法律があるものの、多くの盛土の場合はこれを規制する法律がありません。

このため条例を設けている地方自治体もありますが、条例の規制力は弱く、自治体によって規制内容や罰則も違いがあります。また、罰則を設けるにしても自治法の規定により上限額が定められているため、抑止力が弱いとの指摘もあります。

規制が緩い自治体へ土が持ち込まれる可能性も懸念されることから、全国統一の基準や規制が必要です。

全国的な規制を行うには、どうしても法律によって明確な基準などを設けて規制を行う必要があります。

法律の制定には時間がかかるため、当面の対応として長野県では条例の制定を検討しています。

こうしたことから、盛土を原因とする災害から国民の生命と暮らしを守るため、盛土の安全性に関する法整備を行うことを意見書により要請するものです。