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県議会会派の県外調査(その3)

4 みやま市(福岡県。14600世帯)(18日)

ここでは、バイオマスセンターを調査しました(建設事業費21億円)。

2011年の原発事故を教訓に、環境に配慮したまちづくりについて検討し、バイオマスセンターを生かした資源循環社会の実現に向けて取り組む状況を調査しました。

町では、下水道処理率(15%)が低い状況を生かして、浄化槽汚泥、し尿、生ごみをセンターに持ち込み、ここでメタンガスを発生させて発電し(施設内で使用)、処理に伴って発生した液肥は農地還元しています。

これにより、全世帯の生ごみは全量センターで処理して、燃えるごみの処理量を格段に減量(以前の3分の2)しています。燃えるごみの処理施設は町営の施設は廃止し、隣接自治体と共同の施設で処理しています。以前から下水道処理している汚水は、県の広域下水道に排水し、町の処理施設は不要です。農地では液肥を使用するため、農家は化成肥料を使用しません。

この取組は正に資源循環と温暖化防止を実現するとともに、経費の節減を実現しています。

センターは、隣接して管理事務所、研修室、カフェ、シェアオフィス、コミュニティールーム等として使用する施設がありますが、これは小学校の廃校を利用しています。

調査をして、コンパクトな自治体ならではの先端的な取組であり、他の自治体も大いに参考にすべきと考えます。


県議会会派の県外調査(その2)

2 北九州市役所(福岡県)(16日)

ここでは、宿泊税について調査しました。

市では令和2年4月に税条例が施行されました。税額は1人1泊150円で、福岡県の宿泊税が別途50円徴収され、合計200円です。条例施行までは、市民向けの様々な広報や説明会の開催、旅行業者や宿泊事業者への説明会を行っています。税に関する市民や関係事業者の批判は無く、現在に至っています。税の減免措置や例外措置は無く極めてシンプルな制度です。税の使途については、毎年度明確に市民に説明しています。

調査をして、簡素で大変良い制度であると感じました。

 

3 宇土市役所(熊本県。人口3.6万人、1.6万世帯)(17日)

ここでは、熊本地震により市庁舎が被災し、防災拠点としての機能が果たせなかった状況を調査しました。

2016年4月の熊本地震(マグニチュード7.3、最大震度7)により、5階建ての本庁舎の4階・5階が大きく損壊したため、市役所の機能が喪失し、応急復旧や災害復旧に甚大な影響が出ました。当初は市役所駐車場で業務を行い、その後市民体育館を仮庁舎として使用しました。人的被害(死者12人)、住家被害(全壊119、大規模半壊172、半壊1645、一部損壊4590)と被害は甚大でした。

住宅の被災状況の調査と罹災証明書の作成に、注力しました。また、応急仮設住宅の手配など、すまいの再建対策に、力を入れました。

同年6月には大水害が発生し、この災害への対応にも苦労しました。地震に加えて水害を受けながらも、立派に対応した状況が分かりました。

調査をして、「必ず最後は福祉の問題が発生する」という職員の発言が印象的であり、大変参考になりました。


県議会会派の県外調査(その1)

12月16日(月)から18日(水)までの3日間、県議会自民党県議団の県外調査を実施し、第2部会(8名)の会長として参加しました。今回は、九州にある自治体を中心に調査しました。調査の主な内容を、3回に分けて報告します。

 

1 菊陽町(熊本県)(17日)

ここでは、日本政府が誘致したTSMC(世界で有数の半導体企業。本社台湾。菊陽町にある会社名はJASM(2024年生産開始))の立地に伴うまちづくりについて調査しました。

JASMの立地には元々ソニーの工場が町内にあったことが関係しています。TSMC はソニーと製品の取引があることから、ソニーの工場に近い場所が有利と考えたようです。また、菊陽町は、電力、良質な水が豊富にあり、鉄道と高速道路が通っており、また熊本空港(台北まで2時間)が近いことも立地する要因になったと思います。

現在、TSMCの第2工場を建設する予定があり、ソニーの第2工場も建設中(写真)で、他社の関連工場も続々と建設計画があります。

これらにより、今後工場勤務者を中心に人口の増加が見込まれ、住宅、ホテル、商業施設等の需要が格段に高まります。そのため、区画整理事業や鉄道の新駅の建設や工場団地への幹線道路の整備など、都市整備を急ピッチで行います。また、土地利用計画の変更も行います。合わせて、大学の誘致も検討しています。

調査をして、国が支援する企業誘致の影響力の大きさに驚くとともに、まちづくりを急ピッチで進めなければならない町の業務の多さや、固定資産税や町民税が今後急激に増加することに伴う町政への影響の大きさにも驚きました。