1 英語教育について(その2)
(2) 大学入学試験における英語試験について
・ 企業からの強い主張もあり、グローバル社会で活躍できる人材育成を目指して、大学入試への英語民間試験の導入が検討された。
・ 文科省では入試改革の目玉として、「大学入試センター試験」を衣替えした「大学入学共通テスト」を2021年1月に実施することを決定し、テストの中で英語民間試験(6種類)を導入することを決定した。
・ しかし、大学や高校・受験生などからの批判を受けて、文科省は導入を見送り、改めて検討した結果この7月には導入を断念した。
Q1 「大学入学共通テスト」における英語民間試験の導入が見送られたことについて、教育現場や受験生・保護者はどのように受け止めているのか? また県教委として、英語民間試験導入の見送りをどのように評価しているのか?
A1(教育長)
英語民間試験の導入については、地理的・経済的事情への対応や障害を持つ生徒への配慮が不十分であるなどの課題が指摘され、見送りを評価する意見が多かった。県教委としても見送りは妥当と考えている。
Q2 学習指導要領と直接関連のない英語民間試験が「大学入学共通テスト」に導入された場合、高校では民間試験を意識した授業が行なわれることになり、本来行うべき教育内容と異なる授業が行われる恐れがあると考えるが、県教委としてはどう考えるか?
A2(教育長)
英語民間試験は、それぞれの試験によって利用目的や内容等が異なり、ビジネス英語が主であるなどの特徴がある。英語民間試験の特徴に応じた対策に重点をおいた授業が行われることも懸念される。
Q3 私は、英語力を測ることを目的として、「大学入学共通テスト」に民間試験を導入することは、受験生間の公平性が保てないなどの課題があるため、今後においても導入すべきではないと考える。受験生の英語力を評価する必要があれば、これまで実施しているように、各大学において個別に英語の試験を加えることが適当と考えるが、県教委としてはどう考えるか?
A3(教育長)
英語民間試験の導入には様々な課題があり、これらの課題が解決されない限り「大学入学共通テスト」への導入は困難。現在文科省は、各大学がそれぞれ個別試験において独自の試験を実施していく方向を示しており、県教委としてもこの方向が妥当と考える。