1 感染症と医療について(その2)
② 「地域医療構想」と「医療計画」について
・ 現在の「地域医療構想」は今回のコロナ禍以前に策定されたため、感染症対策に関する記述がないことから、「構想」を変更して感染症対策について追加して記述すべきと考える。
・ しかし、「構想」に感染症対策を項目に加えれば、必要な病床を確保することを記述せざるを得なくなり、病床数を削減する厚労省の基本方針と矛盾してしまう。
・ そこで、厚労省は「地域医療構想」は変更せずに、「医療法」の改正を2021年に行い、感染症対策については都道府県の次期「医療計画」の記載事項に追加することとした。
※ 「地域医療構想」:各都道府県は「地域医療構想」を策定し、2025年における医療需要と必要病床数を推定し、これに対応した医療体制を整えることとしている。
Q1 「地域医療構想」と次期「医療計画」により、公立・公的病院や病床の統廃合と余裕施設や病床の確保という、それぞれ相反する方向性が厚労省から示されていると、私は理解しているが、新たな感染症の感染拡大時を想定して、県としてどのように対応していく方針か?
A1(知事)
次期「医療計画」における感染拡大時の医療については、平時から専用の病床を確保するということではなく、感染拡大時に既存の病床を感染症患者用に切り替えて、必要な医療人材が適切に配置されるような体制を、構築することを目指している。県としては今回のコロナ対応の経験も踏まえて、医療機関の役割分担や連携、また感染症拡大等有事の際の機動的な病床の稼働や医療人材の確保など、的確に行うことができるように検討を進める。
再Q 感染拡大時に既存の病床を感染症患者用に切り替えることは必要と思うが、急を要する治療に支障が出ることから、一定程度の遊休施設・設備を維持していくことも必要と考える。
Q2 「地域医療構想」では公立病院の統廃合を進めることを基本方針としているが、統廃合は設置市町村・一部事務組合等の議会の承認が不可欠であることから、容易ではないと考えるが、どのように進めていくのか?
A2(健康福祉部長)
将来を見据えた医療機能の再構築を進めていく上では、自治体の首長や議会、地域住民の理解を得ながら議論を進めていくことが重要であり、この点を十分考慮しながら「地域医療構想調整会議」などの場で丁寧に議論を進めていく。