月別アーカイブ: 2021年12月

県議会で一般質問(2)

 

1 行財政改革について(その2)

 

(2) 県の行財政改革について

・ 私は昨年9月議会定例会の一般質問で、コロナを契機として現状の「行政経営方針」は行財政改革の視点を中心として大幅に見直し、新たな「行財政改革方針」を策定することを提案した。

・ この提案を受けて、県では今年度新たな「行政・財政改革方針」の策定作業を行っており、年度内に策定する予定。

・ 国ではこれまで基礎的財政収支の黒字化を目指す方針であったが、コロナ禍により経済財政への影響が見通せず、今後方針を修正せざるを得なくなっている。

・ このため、地方の財政運営の指標となる「地方財政計画」がどのような内容になるのか見通せない。

・ こうした中では、数値目標を掲げる新たな「行政・財政改革方針」を、県として今年度中に策定することは困難と考える。

・ 私は、行財政改革を行う上では、民間ができることは民間に委ねる、バラマキ的な事業・パフォーマンス的な事業は行わない、新規の箱物の建設は行わない、やめるものはやめる、見直しは先送りしない、などの視点が非常に重要と考える。

・ 行財政改革で重要なことは、県民ニーズに合致したものか、県民福祉の向上につながるものか、県民の幸福実現につながるものかという視点である。

Q1 現状においてはコロナの影響による経済財政への影響が見通せず、今後の地方財政計画の概要が把握できないなど、地方財政を取り巻く環境は不確実性を増しているが、新たな「行政・財政改革方針」を今年度中に策定する方針を変えるべきではないか?

A1(知事)

  来年度は現行総合計画の最終年度になっているが、コロナ後の社会情勢の変化にどう対応していくかということもしっかり考えていかなければならない。新たな「行政・財政改革方針」の策定時期について令和3年度末を予定していたが、総合計画と時期を合わせて令和4年度中の策定を目指して取り組む。

Q2 行財政改革を進める上では、利害関係にある関係機関や団体等からの強い抵抗も予想されるが、新たな「行政・財政改革方針」を策定し実行するに当たっての決意は?

A2(知事)

  広く県民全体の同意を受ける努力をする一方で、特に事業関係者とは丁寧な対話を行い、多くの県民の理解と協力を得ながら行政・財政改革を行っていく。将来世代が過度な負担を負うことなく、県民の皆さんが安心して暮らし続けられるように、「行政・財政改革方針」の策定後は全力で取り組んでいく。


11月県議会で一般質問(1)

11月30日(火)に、県議会本会議の一般質問に立ち、知事等に質問や提案を行いました。

この内容を、4回にわたり報告します。

今回は、行財政改革と上下水道の広域連携の2項目です。

 

1 行財政改革について(その1)

 

(1) 国の財政状況について

・ 10月末に衆議院選挙が行われた。選挙選での各党の公約を見ると、コロナ対策としては巨額の財政支出を行うというものが多かった。しかし、この財源をどうするのか、あるいはコロナ禍で劇的に悪化している国家財政について、どのように再建していくのかという議論は少なかった。

・ 選挙の投票後のマスコミによる出口調査によると、財政運営については「財政再建を重視すべき」という回答が最も多かったと報じられている。

 ・ コロナ対策については、昨年度からの補正予算の財源はすべて赤字国債で、借金の返済は60年にわたり将来子や孫の世代が負担することになる。

・ 赤字国債は特例的に認められる国の借金であるが、平成8年度から毎年度は発行されており、発行額は年々増加して700兆円もの残高となっている。建設国債と合わせると現在1000兆円の残高であり、先進国では群を抜いて巨額となっている。

Q 国は巨額の借金を抱えて危機的な財政状況にあり、これが今後の地方財政に大きく影響することから、国家財政の健全化を計画的に進めるべきと考えるが、国の財政状況についてどのように認識し、今後どのように対応していくべきと考えているのか?

A(知事)

  国の財政状況は「厳しい」と言える状況を通り越している。今はコロナ対策が最優先であり財政支出は必要であるが、長期的にはコロナへの対応と同じ財政的スタンスではいけない。将来世代に過度な負担を負わせない、持続可能な財政構造への転換を考えていく時期に来ている。