Ⅱ 上・下水道の広域連携について(その1)
1 上水道の広域連携について
・ 地方自治体の水道事業を取り巻く環境が悪化しており、人口が減少して水需要が減少し、料金収入が減少している。職員の高齢化と施設の老朽化が進んでいる。
・ 料金収入が減少し、水道施設の更新費用が嵩んでいけば、独立採算を維持することが困難になり、赤字を埋めるべく一般会計からの補助が増えていばく。その結果、自治体の財政に悪影響が生じてしまう。
・ 水道事業の課題を解決するためにも、水道の広域連携を進める必要があり、現在県が推進役となって、「水道広域化推進プラン」の策定作業を行っている。
・ 上伊那広域圏では、県及び5市町村により「長野県上伊那広域水道用水企業団」が昭和55年に設置され、平成4年から5市町村に水道用水を供給している。
・ また、上伊那では全市町村が参加して「水質管理協議会」を設置し、水道事業の水質管理を行っている。
Q1 現在「水道広域化推進プラン」の策定作業が進められているが、策定に向けたスケジュール感をお聞きする。
A1(環境部長)
現在広域化の形態(①管理の一体化②施設の共同化③事業統合の3パターン)の検討を進めているが年内に方向性を出し、その結果を1月以降に水道事業者に示す。その後広域連携の方向性について協議及び検討を進め、令和4年度中に「水道広域化推進プラン」として取りまとめる。
Q2 上伊那広域圏は水道の広域連携を進めるには、様々な環境が整っていると考えるが、今後広域連携を進めるモデル地域として、県が推進役となって他の地域に先行して連携を進めることを提案するが?
A2(環境部長)
上伊那圏域では、企業団から用水供給を受けるエリア内では既に市町村間の基幹施設が接続された形となっている。このため大きな費用をかけることなく施設の統合を行うことが可能。一方企業団に参画していない町村とどのように連携するかという課題もある。上伊那圏域においてモデル的な広域連携策が打ち出せるよう、広域化のシミュレーション結果に基づき市町村並びに企業団と意見交換を行う。
Q3 上水道の広域連携を進めるには、県の強いリーダーシップの発揮が不可欠である。「水道広域化推進プラン」策定後のプランの着実な実現に向けての意気込みを伺う。
A3(知事)
県としても積極的に水道事業者間の調整を図って、令和4年度中には「水道広域化推進プラン」を取りまとめる。また、プラン策定後においても広域化が確実に推進されるよう、国からの技術的・財政的支援を活用しながら広域連携の推進役として県の役割を果たしていく。