月別アーカイブ: 2021年9月

人事の菅首相

人事権を行使して求心力を高め、官房長官・首相と権力の中枢を歩んだ菅首相が退陣することになりました。

昨年首相に就任した当時は、自著である「政治家の覚悟」が注目を集めて、多くの人々に読まれました。

この本の中で人事についても書かれており、官僚を更迭(実際は左遷)した事実が記述されています。

指示に従わない官僚は、左遷したということです。首相就任当時も取材に応じて、言うことを聞かない官僚は左遷すると言っています。

行政の世界では、トップの意思により職員を左遷することが無いとは言えませんが、トップが自ら左遷を公言することは通常考えられません。

菅首相は人事権を行使する中で、官僚を従わせてきたのでしょう。官僚もサラリーマンですから、左遷させられるのは避けたいところです。その結果官僚は恐怖心を持ち、本意ではなくても指示に従わざるを得なくなります。

こうしたことを続けていると、官僚は指示待ちになり、提案などはしなくなります。モチベーションが上がらず、活気のない職場になってしまいます。

人事に強いはずの首相も、この度の総裁選前の党役員人事では議員からそっぽを向かれて孤立し、退陣せざるを得なくなりました。議員は、官僚のようには上手くいきません。

まさに「策士、策に溺れる」出来事であったと報じられています。

こうしたことは、国の機関に限ったことではありません。似たようなことは、地方組織でも起こりえます。

トップの在任期間が長くなると権力が増し、つい強権的な人事や左遷人事を行うことがあります。また、「ごますり」や言うことを聞く人を自分の近くに配置しやすくなります。

トップにある人は、菅首相のことを「対岸の火事」だなどと決めつけずに、自分はどうなんだと今一度考えて欲しいものです。


豪雨により国道152号が通行止め

前線の停滞に伴い、9月4日(土)の夕方から伊那市では豪雨に見舞われました。

伊那市には土砂災害警戒情報が出され、長谷地区では避難指示が出されました。

この豪雨により、長谷中尾地区の中尾橋付近では国道152号が接する山林の法面が崩壊し、大量の土砂が道路に流出したため、通行できなくなりました。

5日の早朝から土砂の排除作業が行われ、片側通行が可能となりました(写真。右側は三峰川)。

私は5日の朝現地調査を行いましたが、土砂には岩が混じっていることから、法面にある軟弱な岩盤が崩れた可能性があると思います。

この箇所のすぐ南側も過去に法面が崩壊し、復旧工事が終了したばかりです。

この道路が通行止めになると、大鹿村方面へ行くには他に迂回路がありません。

そのため、長谷の市野瀬や杉島などは孤立してしまいます。

当面は伊那建設事務所が応急工事を行い、通行の安全を確保しますが、早急に復旧工事を行う必要があります。


上伊那教育7団体との懇談会

9月2日(木)に、伊那市内で上伊那教育7団体連絡協議会と上伊那選出県会議員との懇談会が開催され、出席しました。

7団体は、市町村教育委員会・PTA・教育会・小学校長会・中学校長会・校長教頭組合・教職員組合で構成されています。

会では、まず各団体の代表者から義務教育等に関する県への要望について説明があり、その後意見交換を行いました。

主な内容は、高校改革・入試制度、教職員の加配、特別支援教育、児童相談所の設置などです。

懇談の中で、私は次の事項について考え方を述べました。

1 高校改革について

・ 7団体の要望事項と共有するものがあり、2月県議会の一般質問で質問や提案を行った。具体的には、高校改革の必要性について地域に分かりやすく説明すべき、募集定員については、志望に見合った定員が確保されてないなどの声があることから、丁寧に分かりやすく地域に説明すべきなど。(写真は一般質問に関して私が作成した資料を用いて意見を述べているところ。)

2 教職員の加配について

・ 小学校の外国語の指導を行う専任教員の配置が極めて少ないが、そもそも外国語教育の導入は国が肝いりで始めたことでもあり、国の財源で配置すべきである。

3 伊那養護学校について

・ 施設の老朽化により修繕を要する箇所などについて、過日学校を訪問して教頭先生から説明を受けたが、これまで順次修繕が行われてはいるが、まだまだ不十分であり、今後も計画的に整備すべきである。