高齢者への新型コロナワクチンの接種が始まりましたが、いつになったら全国民への接種が終わるのか全く見通せない状況です(写真は県議会健康福祉委員会1月の会議)。
多くの国民は早期に接種することを望んでいますが、いつ自分の順番が回ってくるのかとやきもきしています。
感染が拡大し医療がひっ迫している東京都などを中心に、4月25日に3回目の非常事態宣言が発出されました。
しかし、問題は変異株の感染拡大が進み、現在感染者が多い関西から首都圏へ広がり、感染者が爆発的に増加して、医療が回らなくなることです。
これに対応するには、人の流れを抑えるとともに3密を避けることは当然ですが、何と言ってもワクチンの接種を早期に実施することです。
今日本では世界から見れば接種が大変遅れていて、人口100人当たりの累計接種回数は1.5回で世界の100位以内にも入っていません。1位のイスラエルが114回を数えていることからしても寂しい限りで、正にワクチン後進国です。
では、なぜ日本ではこんなに接種が遅れているのでしょうか。これにはいくつか理由がありますが、直接的には政府による外国メーカーからの調達が遅れていることです。
また、国内でのワクチンの開発が遅れています。これは、これまで日本特有の事情として、過去に日本脳炎や子宮頸がんなどのワクチン接種による副反応により健康被害が出たことで、国民のワクチンに対する警戒感が出て、国内メーカーや政府がワクチン開発に消極的であったことがあげられます。
更に、外国ではワクチンを国家安全保障の問題と捉えて、常時ワクチン開発を積極的に進めて来ましたが、今回のコロナ拡大に関しては、自国民への接種を優先し、日本への輸出を制限しているという事情もあります。
将来のコロナ以外の新たなウイルスの感染拡大に備えるためにも、国内でのワクチンの開発体制を整えなければなりません。
そのためには、政府は民間任せにしないで、国策としてワクチンの開発に投資をすべきと考えます。
また政府はワクチンに関して、あらゆる正確な情報を詳細に国民に伝える努力が必要です。