8つの約束その8 県政の南北格差是正

県庁が北に位置することから、県南部の地域の声が施策に反映されにくくなっています。また、都市基盤整備の面でも北部地域に比べて南部は遅れています。

この南北格差を是正しなければなりません。

県庁から遠いことにより地域課題の解決が遅くなることもあるため、スピード感を持って課題を解決するためには、現地機関の長である地方事務所長などに、一定程度の権限を持たせることが不可欠です。また、南信担当の副知事を現地に置いたり、二人の副知事が分担して各広域圏を担当することも効果的です。

長野オリンピックの開催に関連して、県北部地域への重点的な都市基盤の整備が進められました。オリンピック終了後は、南信地域への重点的な投資が進むことが期待されていましたが、実状はそうなっていません。

こうした中で、12年後にはリニア中央新幹線が開通しますが、開通に間に合わせるべく、長野県駅と地域を結ぶ幹線道路などの整備を重点的に進めなければなりません。リニアの開通は、伊那谷にとっては、絶好の重点投資の機会になります。

長野県駅へのアクセス道路のうち、特に国道153号「伊駒アルプスロード」はリニア開通までに整備を完了させる必要があります。開通により、福祉・医療の向上や産業の振興に大きな効果がもたらされます。

さらに、リニアに関連する関連基幹道路も、各道路の有機的な連携の中で整備を進めなければなりません。

リニア中央新幹線の開通と三遠南信道路の開通は、経済の活性化など伊那谷の発展に計り知れない効果を生みます。

しかし、開通を見据えて産業振興や観光振興のための戦略的な対応をしなければ、伊那谷は何も変わりません。伊那谷は今後長野県の南の玄関口として大きく発展する可能性があり、南信地域に光を当てるためにも、県がリーダーシップをとって、広域圏や民間や研究機関などとの連携のもとに、諸施策を進めるべきです。