新型コロナと学生への影響

新型コロナの感染拡大と政府の緊急事態宣言の発令などにより、多くの事業所等では休業や業務縮小を余儀なくされ、アルバイトとして働く学生が雇い止めとなる例が増加しています。

ある学生団体の調査によると、大学生の6割がアルバイト収入が減少したり、収入がなくなったと回答しています。

また大学生の4割が、コロナ感染拡大に伴って親の収入が減少したり、収入がなくなったと回答しています。

下宿をしている学生の72%がアルバイトを行っており、総収入に占めるアルバイト収入の割合は26%を占めています。

また、下宿生の総収入のうち仕送りが56%を占めており、アルバイト収入や仕送りが減少すれば、学生の日々の生活に甚大な影響が出ます。

下宿生のうち、仕送り無しで自活している学生が7%あります。仕送が無くアルバイトで生計を立てている学生は、さらに厳しい生活を強いられています。

文科省では低所得家庭やそれに準ずる家庭に対しては、コロナ拡大に伴って奨学金の給付・貸与や授業料の減免制度を用意していますが、多くの学生はそうした制度を活用できないと考えられます。

私の大学生時代は、仕送り無しで生活しました(写真は大学入試受験票に貼った写真:高校3年生)。

貧困家庭であったため授業料の免除を受け、奨学金の貸与を受けました(当時は給付型の奨学金制度はありませんでした)。

奨学金以外の収入は、もっぱらアルバイトでした。最初の頃は安定したアルバイト先が見つからず、商家の大掃除・神社の例祭の行列・土木作業員・大学病院の実験台・理容実習のモデル・ウェイターなど様々なことを行いました。

そのうちに家庭教師のアルバイトが見つかり、週6日で3軒の家庭を回り安定した収入を得ることができました。

学生のアルバイト収入は生きるための大切な財源です。コロナ禍によって学生生活に影響が出て、その結果大学を辞めてしまうようなことがあってはいけないと思います。

今回のコロナ禍に対して、東北大学や早稲田大学などでは学生に対して金銭的な支援制度を作りましたが、まだまだ実施大学が少ない状況です。

コロナ禍の次には、コロナによる次の就職氷河期が来るとも言われており、学生の前途は明るさが見えてきません。

ここは、国でしっかりとした支援策を実行し、将来国や地域を支える人材が安心して勉学に励めるようにして欲しいと思います。