11月23日(金)に、伊那市内で「南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会」元隊長の西村和美さん(伊那市長谷)の叙勲受章祝賀会が開催され、地元県会議員として出席しました。
西村さんは55年の長きにわたり救助隊員として、うち23年間を隊長として務められましたが、その功績が高く評価され、今年秋の叙勲で「瑞宝単光章(警察協力功労)」を受章されました。
現在は、同協会の顧問兼名誉隊長の職にあり、後進の指導や遭難防止活動に取り組まれています。
これまで107件の救助活動に従事し、88名を救出したとのことで、救助された方々からは大変感謝されています。
救助活動に出かけるときには、必ず仏前に手を合わせて無事を祈ったとのことですが、死をも覚悟しての長年の活動には頭が下がります。
隊員の大切な命を守ることを、最優先してきたといいます。
まず自らの身の安全を確保したうえで、救助活動に従事することを隊員に徹底したそうです。
救助隊員が2次災害に遭わないように細心の注意を払って指揮を執り、これまで無事故で活動されたことも、大変立派なことだと思います。
随分危険な活動にも従事したとのことですが、活動を重ねると慣れてしまって、山を甘く見てしまうことが危険なことから、常に基本を大切にして来たといいます。
最近気楽に軽装備で登山する人が増え、これが遭難につながっているといい、「登山は自己責任で行うもの」というのが西村さんの基本的な考え方です。
そして、登山する場合には必ず保険に入り、万が一救助が必要な場合には民間に依頼すべきで、安易に警察や消防に救助を求めるべきではない、というのが持論です。
いつ救助活動の要請があってもいいように、在任中はどこにも遊びに出かけたことがなかったとのことで、非常に責任感の強い方です。
西村さんの奥さんは、西村さんが山から無事帰宅するまでは、安心できる時がなかったと思います。
これからは、奥さんとゆっくり旅行などに出かけ、しっかり楽しんで欲しいと思います。