コロナと過料

政府では、コロナの感染拡大防止や入院体制の強化などのために関係法律を改正する予定で、すでに国会に提出済みの法案を修正することが明らかになりました。

主な内容は、次のとおりです(カッコ内は修正前の案)。

〇 入院を勧告された感染者が拒否すれば50万円以下の過料。(1年以下の懲役か100万円以下の罰金)

〇 保健所が行う疫学調査を拒否すれば30万円以下の過料。(50万円以下の罰金)

〇 緊急事態宣言下で、営業時間短縮などの知事命令に従わないと、事業者に30万円以下の過料。(50万円以下の過料)

罰金や懲役などの刑事罰ではなくなり、過料という行政罰に軽減されたことは、評価できると思います(刑事罰は前科になります)。

しかし、政府のこれまでのコロナ対策が適切であったかどうかを、検証してみることが重要です。

昨年の外国からの入国制限のタイミングが遅かった、GoToキャンペーンを始める時期が早すぎた、非常事態宣言を発出する時期が遅かった、などの指摘があります。

そうしたことから政府の対策は、後手後手であったとの批判があります。

そんな中で、政府の指示に従わないものにペナルティを課すことが妥当であるかどうかという議論があります。

入院勧告を拒否すれば過料を課すということですが、そもそも空きベッドが無くて入院ができない人がいる中では、誰でもが入院できる体制を整えることが先決です。

最近の政府を見ていると、言うことを聞かない官僚は左遷する、政府に批判的な意見を言う学術会議委員は任命しない、コロナ対策で批判的な人や事業所には罰を与える、などの強権的な姿勢が見えます。

こうした強い姿勢を続けていると、国民の信頼は薄らいでしまうのではないかと思います。

政府から会食を慎むよう要請されている中で、会食やはしご酒をしている政府高官や政府関係者がいるようでは、国民からは信頼されないと思います。

国民から信頼されて初めて、政府の要請や指示が正しく受け入れてもらえるのではないでしょうか。