コロナと科学

 

新型コロナの感染拡大が続いています。

このまま感染者が増えると、医療機関では患者の受け入れ能力を超え、医療崩壊になる可能性があると言われています。

GOTOトラベルの旅行先として感染拡大地を除外しても、感染拡大地出発の旅行は認められていることから、当然のこととして感染者は増えると考えられます。

政府は感染拡大地への旅行を制限するのは、旅行先で感染した場合に医療機関が受け入れ困難になることを防ぐためとしていますが、感染拡大地から地方へ旅行し、旅行先で発症した場合には、地方の医療機関も受け入れ困難になる可能性はあります。

私は、感染拡大地へ行くことも感染拡大地から出ることも一定の制限をすべきと考えます。当然GOTOトラベルの対象からは除外すべきです。

過日世界的な歴史学者・哲学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏著作「緊急提言パンデミック」(河出書房新社)を読んでいたら、大変示唆に富む記述がありました。

「国民の責任として、科学の確かさを信頼し、科学的裏付けのある指針を実行に移すこと。」「評価の高い専門家が示す指針に従うことが私たちの務め。」「私たちが科学を信頼すれば、この危機を容易に乗り越えることができる。」「この数年間、無責任な政治家たちが科学や公的機関や国際協力に対する信頼を、故意に失ってきた。」と述べています。

米国のトランプ大統領のコロナに対する姿勢は、まさに科学の否定でした。そして、結果として世界一のコロナ大国になりました。自らマスクを否定し、感染しました。

私はコロナへの対応は、ハラリ氏が指摘するように、政治も国民も科学の力に頼ることだと思います。

政府のコロナ対策分科会の意見を、もっと尊重して対策を実行すべきです。政治家は医療の専門家ではありません。

私は日本学術会議の委員の任命に関しても、科学者を排除するような政府の論理は理解できません。