ガソリンスタンドの存続を要望

9月20日(木)に、JA上伊那が経営するガソリンスタンド「長藤SS」(伊那市高遠町長藤地籍)の存続を求める地元地区の要望活動があり、地元県会議員として同席しました(写真はJA上伊那HPより)。

この施設は赤字経営が続き農協の経営を圧迫していることから、来年3月末をもって廃止することが総代会で示されています。

長藤地区は過疎地域ですが、施設が廃止されれば地域の住民生活や営農活動に重大な影響があるため、地域住民からは存続を求める声が多く出され、JA上伊那組合長に対して要望活動を行ったものです。

JA上伊那では、数年前にも過疎地域である伊那市長谷地籍で唯一の施設を廃止しており、次々に廃止されていくことに地域住民は不安を抱いています。

近年ガソリンの需要が減少し、加えて事業者の収益率の低下などにより給油所が全国的に減少しています。特に過疎地域ではこうした状況が顕著になっています。

国では、給油所の数が3か所以下の市町村を「給油所過疎地」と位置づけており、県内では31町村が該当します。これ以外に、最寄りの給油所から15㎞以上離れている居住地域が存在するのは10市町村(伊那市も該当)あります。

昨年県が行った調査によると、県内の52市町村(68%)が給油所過疎の課題を認識していますが、対策や検討を進めているのは僅か9市町村(12%)でした。

農村地域では、給油所がなくなると生活や営農に深刻な影響が出ますし、災害発生時の備えも不十分なものとなるため、早急に対策を考えなければなりません。

長藤地籍には国道152号が通っていますが、高遠城址の桜や南アルプスなどへの観光道路としても重要路線であることから、観光客向けの燃料の確保も課題となります。

給油所がないことにより生活上の不便さが増せば、過疎化に拍車がかかる懸念もあります。

過疎地の給油所の経営を一面的に農協の経営上の問題と捉えるのではなく、過疎の問題として行政も一緒になって存続に向けて知恵を絞らなければならないと考えます。