議会決算委員会で調査(その2)

20日は、産業労働部です。

① 産業政策課

【酒井】商工会、商工会議所の経営指導員等に係る県補助金については、これまで事業者数を基礎に金額を決めてきた。事業者が減少している中で事業者数を基本とする決め方では、課題解決のための活動に支障が出てしまうので、算出基礎を見直すべきではないか?

【課長】重要な業務を行っており、事情は理解している。継続的な活動が確保できるよう、令和7年度の補助金から業務量を反映した補助制度となるよう見直したい。

② 経営・創業支援課

【酒井】高度化資金貸付金の償還金未収金が9億円余りになっており、現状のままでは不適切である。今後どう解消していくのか? 回収目標額を、高く設定すべきではないか?

【課長】借入企業が倒産などしたため、連帯保証人に対して督促をしている。未収金解消は困難な状況にあるが、個々の状況を判断する中で、解消に努める。また回収目標額については、見直しを検討したい。

③産業人材育成課

【酒井】人口減少対策の観点からも、キャリア教育が効果的であり、上伊那の「郷土愛プロジェクト」を参考に全県的に取り組むべきではないか?

【課長】上伊那の例は長い歴史があり、他地区も同様に取り組むことは容易ではないが、参考にしていきたい。Uターンの促進には、地元企業を知ってもらうことが重要であり、上伊那の取り組みは参考になる。

④労働雇用課

【酒井】県内出身学生のUターン就職率の目標値は45%であり、若者定住促進のためには低すぎる。見直すべきではないか?

【課長】近年は、首都圏等に若者が就職する傾向が強まっており、大変厳しい状況である。県内大学にも県内就職を呼び掛けたい。企業の魅力を発信することも重要であり、今後取り組んでいきたい。

 ※ 政府の「地方創生」施策がうまく機能せず、地方への若者定住が進まなかった。基本的には国政の問題であり、真の地方創生につながる施策を求めたい。


議会決算委員会で調査(その1)

県議会決算特別委員会は10月19日(木)・20日(金)の両日、県庁で本庁の部局を対象とした調査を行い、委員として参加しました。

調査における私の意見について、主な内容を2回に分けて報告します。

19日は、教育委員会です。

 

① 高校教育課

【酒井】地域改善対策(同和対策)高等学校進学奨励金の滞納繰越金が約1億6千万円、高等学校奨学金返還金の滞納繰越金が約9千万円と多額であるが、未収金解消のためにどのような対策を取っているのか?

【課長】地域改善対策は毎年12月の強化月間に文書で依頼している。奨学金は弁護士法人に委託(年額約400万円)して徴収している。

【酒井】滞納者は個々に事情が異なるが、高額滞納者には戸別訪問するなどきめ細かい対策を取るべきである。随意契約により弁護士法人を決めているが、原則は競争入札によるべきであり、契約方法を見直すべきである。

※ 教育委員会の対応は甘いと考えます。もっと厳しい態度で徴収対策に臨むべきと考えます。

② 高校再編推進室

【酒井】上伊那地域では、伊那新校、赤穂総合学科新校、上伊那総合技術新校の再編に係る手続きが進められているが、本来は3校に係る手続きを同時並行的に進めるべきと考える。特に上伊那総合技術新校の手続きに遅れが見られるが、スピードアップすべきではないか?

【課長】しっかり手続きを踏んで来たため遅れているので、近く方向性を出したい。

【酒井】教育委員会では丁寧に説明し、地域から意見を出してもらってきた。早期に新たな段階に移行するよう要望する。

③ 特別支援教育課

【酒井】特別支援学校のトイレについて、洋式化率80%、多目的化率20%以上を目指して整備を進めているが、伊那養護学校については整備が遅れている。様々な困難な状況を抱える子供たちのことであり、早期に課題を解決すべきではないか?

【課長】県全体の整備化率は87%であるが、伊那養護についてはニーズを見ながら進めていきたい


議会決算委員会で調査(その2)

13日は、農政部です。

① 農業技術課

【酒井】「野生鳥獣被害総合対策事業」について、決算調書では「農作物の食害が減少している。」と記述されているが、現状は特に中山間地における猿・鹿・猪・熊などによる被害は、酷いものがある。このままでは地域住民は生きる意欲を失ってしまう。国の補助制度も個人の被害防止策は補助対象にならないことから、補助基準を緩くすべきではないか?

【課長】補助要望に対して予算が不足している状況にあるため、国に財政支援を要望する。

【酒井】担当課としては、現状に満足するのではなく、補助金の獲得や制度の弾力運用に努めるよう要望する。

 ※ 担当課の現状認識は非常に甘いと考えます。

② 農業技術課

【酒井】農業大学卒業生はスマート農業を担う重要な人材になることから、スマート農業に関する教育内容を充実すべきではないか?

【課長】先端技術を学ぶカリキュラムを組んでいる。スマート農業に関する実習もメーカーと連携して進めている。

【酒井】スマート農業に係るハード・ソフトの購入価格は高額であるため、大学に係る県予算の確保に努めるとともに、更にメーカ―と連携を進めるよう要望する。

③ 園芸畜産課

【酒井】乳用牛対策事業の中に「スマート畜産の普及推進」があるが、農家のスマート畜産への関心は高く、補助制度の導入や備品の貸与等の要望があるが、要望に応えきれていないのではないか?

【課長】システムの貸与等を行っており、国庫補助事業を活用しモデル事業を試行してる。

【酒井】今後一層国・県の支援の充実を要望する。

④ 農村振興課

【酒井】農地中間管理機構の農地集積に果たす役割は大きいが、機構の集積目標60%に対して、現状は43%と低い。この原因は、関係機関の連携が悪いのではないか?

【課長】地域振興局の農村振興センターを中心に支援チームを組織し、連携している。今後「地域計画」を市町村の集落単位で作成するので、その中で機構を含めて連携して集積を図る。

【酒井】関係機関の連携を密にするために、県が主導的な役割を果たすよう要望する。