県議会で一般質問(4)

 

Ⅱ 上水道・下水道の広域連携(その2)

 

2 下水道の広域連携について

・ 下水道事業を取り巻く環境は悪化しており、職員数の減少、人口の減少に伴う料金収入の減少、処理場や管路の老朽化に伴う更新需要の増大などが課題。

・ 課題解決のためにも広域連携を進めるべきであり、中でも公益財団法人「長野県下水道公社」に業務委託するという選択肢が非常に有効と考える。

・ 公社は、長野県と県内の全市町村が参画して平成3年に設置されており、主な事業は下水道の調査・設計・施工管理、下水道の維持管理など。

・ 下水道公社は県と県下の全市町村の出捐(会社でいう出資)により設立された組織であり、市町村の義務としても市町村の終末処理場などの維持管理を公社に委託すべき。

・ 市町村の考えで公社に委託したり、直営管理(実態は民間に委託)しているが、公社設立の経過からして、ばらばらな対応は望ましくない。

 Q1 市町村の下水道事業の将来にわたる安定的な経営の継続のためには、広域連携など様々な改革を進めていかなければならないが、県としてどのような役割を果たしていく方針か?

A1(環境部長)

  改革としては、農業集落排水施設と公共下水道の統廃合などを進めている。また施設の統廃合、流域下水道の連携、市町村を越えた広域化・共同化など進めるために、県として調整を行う。

 Q2 長野県下水道公社の経営力の強化を図るためにも、市町村の下水道事業の経営改革を図るためにも、下水道施設の維持管理業務を直営で行っている市町村に対して、可能な限り下水道公社に委託すること要請すべきと考えるが、公社の理事長でもある副知事としての所見を伺う。

A2(副知事)

  公社では、県下の約半数の市町村から処理場の維持管理業務を受託しているが、今後人口の減少や技術系職員の確保が困難となることが見込まれており、特に小規模市町村において下水道公社の必要性がさらに高まるものと認識している。県では令和5年度からの新たな下水道に関する構想策定に向けて作業を進めており、この策定過程において下水道公社の一層の活用について市町村に提案していく。

 


県議会で一般質問(3)

Ⅱ 上・下水道の広域連携について(その1)

1 上水道の広域連携について

・ 地方自治体の水道事業を取り巻く環境が悪化しており、人口が減少して水需要が減少し、料金収入が減少している。職員の高齢化と施設の老朽化が進んでいる。

・ 料金収入が減少し、水道施設の更新費用が嵩んでいけば、独立採算を維持することが困難になり、赤字を埋めるべく一般会計からの補助が増えていばく。その結果、自治体の財政に悪影響が生じてしまう。

・ 水道事業の課題を解決するためにも、水道の広域連携を進める必要があり、現在県が推進役となって、「水道広域化推進プラン」の策定作業を行っている。

・ 上伊那広域圏では、県及び5市町村により「長野県上伊那広域水道用水企業団」が昭和55年に設置され、平成4年から5市町村に水道用水を供給している。

・ また、上伊那では全市町村が参加して「水質管理協議会」を設置し、水道事業の水質管理を行っている。

Q1 現在「水道広域化推進プラン」の策定作業が進められているが、策定に向けたスケジュール感をお聞きする。

A1(環境部長)

  現在広域化の形態(①管理の一体化②施設の共同化③事業統合の3パターン)の検討を進めているが年内に方向性を出し、その結果を1月以降に水道事業者に示す。その後広域連携の方向性について協議及び検討を進め、令和4年度中に「水道広域化推進プラン」として取りまとめる。

Q2 上伊那広域圏は水道の広域連携を進めるには、様々な環境が整っていると考えるが、今後広域連携を進めるモデル地域として、県が推進役となって他の地域に先行して連携を進めることを提案するが?

A2(環境部長)

  上伊那圏域では、企業団から用水供給を受けるエリア内では既に市町村間の基幹施設が接続された形となっている。このため大きな費用をかけることなく施設の統合を行うことが可能。一方企業団に参画していない町村とどのように連携するかという課題もある。上伊那圏域においてモデル的な広域連携策が打ち出せるよう、広域化のシミュレーション結果に基づき市町村並びに企業団と意見交換を行う。

Q3 上水道の広域連携を進めるには、県の強いリーダーシップの発揮が不可欠である。「水道広域化推進プラン」策定後のプランの着実な実現に向けての意気込みを伺う。

A3(知事)

  県としても積極的に水道事業者間の調整を図って、令和4年度中には「水道広域化推進プラン」を取りまとめる。また、プラン策定後においても広域化が確実に推進されるよう、国からの技術的・財政的支援を活用しながら広域連携の推進役として県の役割を果たしていく。


県議会で一般質問(2)

 

1 行財政改革について(その2)

 

(2) 県の行財政改革について

・ 私は昨年9月議会定例会の一般質問で、コロナを契機として現状の「行政経営方針」は行財政改革の視点を中心として大幅に見直し、新たな「行財政改革方針」を策定することを提案した。

・ この提案を受けて、県では今年度新たな「行政・財政改革方針」の策定作業を行っており、年度内に策定する予定。

・ 国ではこれまで基礎的財政収支の黒字化を目指す方針であったが、コロナ禍により経済財政への影響が見通せず、今後方針を修正せざるを得なくなっている。

・ このため、地方の財政運営の指標となる「地方財政計画」がどのような内容になるのか見通せない。

・ こうした中では、数値目標を掲げる新たな「行政・財政改革方針」を、県として今年度中に策定することは困難と考える。

・ 私は、行財政改革を行う上では、民間ができることは民間に委ねる、バラマキ的な事業・パフォーマンス的な事業は行わない、新規の箱物の建設は行わない、やめるものはやめる、見直しは先送りしない、などの視点が非常に重要と考える。

・ 行財政改革で重要なことは、県民ニーズに合致したものか、県民福祉の向上につながるものか、県民の幸福実現につながるものかという視点である。

Q1 現状においてはコロナの影響による経済財政への影響が見通せず、今後の地方財政計画の概要が把握できないなど、地方財政を取り巻く環境は不確実性を増しているが、新たな「行政・財政改革方針」を今年度中に策定する方針を変えるべきではないか?

A1(知事)

  来年度は現行総合計画の最終年度になっているが、コロナ後の社会情勢の変化にどう対応していくかということもしっかり考えていかなければならない。新たな「行政・財政改革方針」の策定時期について令和3年度末を予定していたが、総合計画と時期を合わせて令和4年度中の策定を目指して取り組む。

Q2 行財政改革を進める上では、利害関係にある関係機関や団体等からの強い抵抗も予想されるが、新たな「行政・財政改革方針」を策定し実行するに当たっての決意は?

A2(知事)

  広く県民全体の同意を受ける努力をする一方で、特に事業関係者とは丁寧な対話を行い、多くの県民の理解と協力を得ながら行政・財政改革を行っていく。将来世代が過度な負担を負うことなく、県民の皆さんが安心して暮らし続けられるように、「行政・財政改革方針」の策定後は全力で取り組んでいく。