月別アーカイブ: 2020年9月

アベノマスクのその後

不織布マスクがようやくドラッグストアーなどの店頭に並び始め、価格も下がっていることから一安心というところです。

安倍総理が退任することになったことから、布製の「アベノマスク」も話題にならなくなりました。

後任の菅さんは官房長官在任中から「アベノマスク」は着用せず、もっぱら不織布マスクを着用していたことから、「スガノマスク」が話題になることはないでしょう。

さて、「アベノマスク」(予算額466億円)は各家庭に2枚ずつ送付されましたが、これとは別に介護施設や障がい者施設、保育所など全国の50万事業所全てを対象に、職員など1人につき4枚を配布する計画があります。

当初の計画では247億円をかけて、3月から9月にかけて1億5千万枚を配布する予定でした。

すでに6千万枚は配布済みとなっていましたが、マスクが比較的安価に入手可能になったことなどから、布マスクの配布は税金の無駄遣いとする指摘が相次いだため、希望する施設のみに配布する計画に変更しました。

これまでのところ希望のあった数は、配布予定の6%に当たるわずか460万枚で、これ以上の希望がなければ政府の備蓄に回されることになります。

各世帯に配布した「アベノマスク」は評判の悪い施策でしたが、各施設に配布される予定であった布マスクも、無駄な施策と言われてしまいそうです。

一方、7月に信州大学病院が県内の医療機関を対象にアンケート調査を行ったところによると、マスクなどの防護具が不足している実態が明らかになりました。

特に医療用の「N95マスク」が不足しており、医療機関では消毒して再利用するなど苦労を余儀なくされています。

現在国内で使用する医療用マスクは、ほぼ100%を中国からの輸入に頼っており、国際的にも逼迫している状況にあることから、今後国内で生産できる体制を早期に作る必要があります。

こうした状況を見るにつけ、247億円もかけて布製マスクを施設に配布するより、医療機関にマスクが届くような施策を優先すべきと考えます。

国では4月に「感染症緊急経済対策」を決定し、マスクの供給増加策を打ち出しましたが、未だにこうした状況にあることは理解できません。

 

 


テニス大坂選手の人種差別抗議マスク

女子プロテニスプレーヤー、大坂なおみ選手(国籍は日本。写真:信毎web)は、ニューヨークで開催された全米オープンに人種差別への抗議の意思表示をするため、白人による暴力などで死亡した黒人の名前入りのマスク7枚を用意して出場しました。

大坂選手は、「私はアスリートである前に黒人女性だ。テニスよりも重要なことがあると感じている。白人が多数を占めるスポーツの中で会話を始めることができれば、正しい方向へ踏み出せると思う。」と語っていました。

大坂選手は1回戦からこのマスクを着けて登場し、9月12日に行われた決勝に勝って7戦全勝で優勝したため、7枚すべてのマスクを着用しました。

この行動は世界中のメディアに取り上げられ、黒人差別に関する関心を高めたことは高く評価されています。

大坂選手の抗議活動は自身に大きなプレッシャーのかかるものだったでしょうが、強い精神力でこれを見事に乗り越えてチャンピオンとなりました。

私は8月30日のブログで、「テニス大坂選手こそ世界チャンピオン」とこの勇気ある抗議活動のすばらしさを讃えました。

ブログの作成は1回戦終了時のものでしたが、大会を制して優勝したことは立派としか言いようがありません。

大坂選手の行動が、いつかは大きな人種差別撤廃への動きにつながることを願っていますし、私たち日本人もあらゆる差別の撤廃に向けて行動しなければならないと考えます。


議会常任委員会の県内調査を実施(3)

8月31日(月)・9月1日(火)の2日間にわたり県議会県民文化・健康福祉委員会の県内調査を実施し、委員長として参加しました。

今回は、中南信地区にある県関係の現地機関等です。

調査の主な結果を3回に分けて報告する3回目です。

5 中信消費生活センター(松本合同庁舎内)(省略)

 

6 松本児童相談所・波田学院(松本市波田)

① 松本児童相談所(写真)

・ 所長以下33名の職員が配置されています。

・ 業務の増加に伴い、児童福祉司・児童心理司を増員しています。

・ 近年は児童虐待の相談対応件数が増加しており、警察経由の案件が増加しています。このため警察との協定を締結して、連携を密にしています。

・ 一時保護所を運営しており(県内2カ所)、昨年度は87人(実人員)を保護しました。そのほとんどが虐待によるものです。

 

② 波田学院(松本児童相談所のそば)

・ この施設は児童自立支援施設(児童福祉施設)で、不良行為をしたり、する恐れのある児童や、家庭環境その他の理由により、生活指導などを要する児童が入所し、必要な指導を受けることにより自立を支援することを目的にしています。

・ 職員数は19名です。

 

・ 将来家庭や地域で社会人として自立した生活ができるよう、次の4項目を柱に支援を行っています。①生活支援、②学校教育(波田小学校・波田中学校の分校)、③作業活動、④家庭や関係機関との連携

・ 全員が寮(3棟)で生活し、職員が寝起きを共にしながら指導を行います。

・ 入所理由は、窃盗、乱暴・反抗、性的悪戯などが主なものです。

・ 現在11人が入所(定員27人)しており、入所時期は小学校5年生~中学校3年生が多くなっています。

・ 目標を達成すると退所することになり、復学(約7割)、養護施設などへ移行などが主なものです。