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県議会6月定例会が開会

6月18日(木)に県議会6月定例会が開会し、知事から補正予算案などの24議案が提出されました。

主な議案は、新型コロナに対応する一般会計補正予算案2件と新型コロナ等対策に関する条例案(新設)などです。

補正予算案の内1件は、早期に議決して早急に事業実施する必要があるため、別の予算案と切り離して審議し、即日可決しました。

予算額は64億円で、主な内容はプレミアム付き商品券の発売などの支援や全国からの観光誘客のための経費、ひとり親世帯への臨時給付金、希望する妊産婦に対するPCR検査費用などです。

私が所属する県民文化・健康福祉委員会では、この予算の内委員会に関係するものについて審議し、その結果を本会議で報告しました(写真は委員長報告)。

もう1件の予算案は予算額585億円で、救急医療機関の陰圧装置等の整備や患者受入専用病棟でのエコー等の整備や空床確保の支援、医療従事者や介護職員等の慰労金の支給、医療従事者が帰宅困難な場合の宿泊費助成などです。

こちらは今後関係委員会で審査し、議会最終日に可否を判断します。

条例案は「長野県新型コロナウィルス感染症等対策条例」で、特措法を踏まえた対策や県独自の取り組みなどについて規定します。観光関係については、特措法によらずに観光宿泊施設等に対する休業の検討を依頼する場合の根拠規定となるものです。

条例案は危機管理・建設委員会の所管ですが、条例制定については議会内でも様々な意見がありますので、今後の一般質問でのやりとりなどが、委員会審査に影響する可能性があります。最終的には、議会最終日に制定することが妥当か決定されます。

23日から26日までは、一般質問が行われます。

私は23日(火)に質問に立ち、「新型コロナに関する諸課題」と「幹線道路」の2項目について知事等に質問と提案を行います。

質問・答弁の内容については、2月議会の内容と合わせて「県政だより」(夏号)を作成し、新聞折込や県政報告会などでお知らせする予定です。


コロナ対策を議会委員会で審議

6月4日(木)に県議会の健康福祉委員会が開催され、委員長として出席しました。

当日は定例議会の会期外のため、特別に「閉会中の審査」として開催したものです。

「閉会中の審査」は、会期外に審査する事項を予め議決しておき、審査すべき事項が生じた場合に行うことができます(地方自治法第109条第8項)。

当日は、新型コロナ対策に関係する事項について担当から説明を受け、その後質疑討論を行いました。

感染症への対応状況、患者受入体制、感染症検査センター、PCR検査体制、医療資材の提供状況、生活困窮者支援、「県新型コロナウイルス感染症等対策条例(仮称)」骨子などについて説明を受けました。

条例制定に関する質疑に多くの時間が割かれましたが、出された主な意見は次のとおりです。

・ 条例制定により、これまでの対応と何が違うのか理解できない。条例がなければ休業要請や休業の検討の要請ができないのか?

・ 他の都道府県では条例制定の動きがない中で、県が条例制定する理由は何か?

・ これまでの県の対策について検証がされていない状況の中で、条例制定は納得できない。まずは検証を行うべきである。

・ 5月中旬に条例制定について知事から議会に話があり、十分な期間を置かずに6月議会に条例案を提案するのは拙速である。9月議会に提案すべきではないのか?

・ 条例の骨子についてパブリックコメントを実施しているが、意見募集の期間が通常の場合の半分と非常に短く、広く意見を募集するには通常通りの期間を確保すべきである。

・ 国の特措法の内容に不備があり、これを補完するために条例を制定するというのは通常のやり方ではなく、本来は知事会などを通じて法律改正を要請すべきである。

それぞれもっともな意見であり、県としてこれをどう受け止めどう対応するのか、チェック機関としての議会は注目しなければなりません。

また、条例の取り扱いについては自民党県議団としても引き続き検討していきます。


新型コロナの予備費は妥当か?

(写真は議会閉会中の6月4日に開催された県議会健康福祉委員会でコロナ関係の審議の様子)

今国会では、コロナに対応するための第2次の補正予算について議論されています。そこで特に問題になっているのは、補正額31.9兆円のうち10兆円を予備費に計上していることです。補正額のうち3割余りを予備費に充てるというのは尋常ではありません。

国の当初予算は103兆円でうち予備費は0.5兆円(構成比0.5%)、コロナ対策第1次補正予算は25.6兆円で予備費は1.5兆円(構成比6%)ですから、2次補正の予備費がいかに大きいか分かります。

予備費は憲法第87条に規定されていて、「予見しがたい予算の不足に充てるために、国会の議決において予備費を設け、内閣の責任で支出することができる。」とされています。また、「内閣は事後に支出について国会の承諾を得なければならない。」とされています。しかし、国会の事後承諾が得られなくても、支出は有効です。

国の予算は国会の決定により成立するものですから、予算の内容については国会の審議を受けます。しかし、予備費については支出する内容は特定されないため、金額が妥当かどうかにより判断されます。また一旦予算で予備費が認められれば、執行内容と金額は内閣に一任されるのです。

予備費の支出内容は、事実上国会のチェックがかかりません。10兆円もの巨額な予算が、国会のチェックなしに支出してよいのか疑問です。

話題のアベノマスクの財源として、当初予算の予備費が充てられています。

コロナ関係予算の執行については、国会では様々な問題点が指摘されている中で、予備費の執行に国会のチェックがかからないということは大変心配です。

2次補正予算の財源はすべて国の借金であり、子や孫の世代が60年にもわたり負担するものですから、予算の審議は慎重でなければなりません。

私は予備費の計上額を最小限にとどめ、今後追加予算が必要になれば、正規の手続きにより臨時国会を召集し、補正予算を審議すべきと考えます。

臨時国会は、国会が努力をすればいつでも開催できます。コロナという国難への対応のためには、万難を排して国会を開催して審議を尽くすのが、民主主義の基本だと思います。