ハイブリッド戦争の時代

3月2日(水)に開催された県議会で、議員提案の意見書案がいくつか可決しました。

このうちの一つに、「サイバー攻撃等を含むハイブリッド戦に対応した安全保障体制の確立を求める意見書」があります。

この意見書では、「国会及び政府において、国家の安全保障の重要性に関して国民の理解促進に努めるとともに、国民の安全・安心な暮らしの確保に向け、関連する法整備を行うなど、サイバー攻撃等を含むハイブリッド戦に対応した安全保障体制を確立するよう要請する。」と記述されています。

「ハイブリッド戦争」とは馴染みのない言葉ですが、防衛白書では「軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法であり、このような手法は相手方に軍事面にとどまらない複雑な対応を強いることになります。例えば、国籍を隠した不明部隊を用いた作戦、サイバー攻撃による通信・重要インフラの妨害、インターネットやメディアを通じた偽情報の流布などによる、影響工作を複合的に用いた手法が該当します。」と表現しています。

現在進行しているロシアによるウクライナへの侵攻はまさに「ハイブリッド戦争」と見ることができます。

実際にはここへ来て、これを超えた武力攻撃がロシアにより行われています。

日本でも、すでに似たような事態にあります。

例えば、竹島や北方領土のような離島の実効支配が該当します。土地を無理に奪い取る行為は世界の理解を得られないので、支配した状況を続けて圧力をかけています。

また、中国海警局船舶の尖閣諸島領海侵入も該当します。軍ではなくて警察だから問題はない、あるいは中国が警備しているのだから中国の島である、という理論を振りかざして、国際社会に実効支配の建前を作り、領土を奪いやすい雰囲気を作っています。

これからは、正規軍による戦争の時代からハイブリッド戦争の時代になると言われています。大変恐ろしいことですが、日本にとっても他人事ではいられない時代に入りました。