月別アーカイブ: 2021年10月

9月県議会で一般質問(5)

3 森林の整備・林業の振興について(その2)

(2) 県産材の需要・供給の拡大について(その1)

・ アメリカの住宅着工件数が伸びるなどして、国際的に木材の需給がひっ迫し、木材価格が高騰していわゆる「ウッドショック」と呼ばれる状況にある。

・ 伊那市にある住宅建設会社「フォレストコーポレーション」は、県産材にこだわった木造注文住宅を建設しており、使用する木材は県産材でしかも天然乾燥した木材を使用している。ウッドショックの中にあっても必要な木材は充分な量を確保しており、木材価格の値上げの影響を受けていない。

・ 県産材への需要が高まっている状況下で、県内の林業・木材産業にとっては、今が大きく飛躍するチャンスでもある。

・ 原材料の自給を促進する側面からも、需要の確保・創出とともに、安定的に県産材を供給できる産業構造を構築する必要がある。

・ 一方、林業従事者の減少が進み、加えて高齢化も進んで人材不足が深刻な状況にある。

Q1 今回の急激な国産材や県産材の需要を、将来にわたって確かなものとすることが必要と考えるが、県として需要確保の面で、現在具体的にどのような対策を行い、今後どのような対策を講じていく方針か?

A1(林務部長)

現在県産の丸太や木材製品の需要が好調であり、県産材への転換のチャンスと捉え、新たな需要を確かなものとし、着実な増産に繋げられるよう、林業、木材産業、住宅産業の需給マッチングを積極的に進めている。また外材から県産材へのシフトを促すため、工務店に対し県産材製品の購入や普及啓発を支援していく。

 

Q2 県産材の活用を拡大するために、県内の関係事業者が連携して、県産材に特化した住宅建設を促進することを提案するが?

A2(林務部長)

林業、木材産業、住宅産業などの関係事業者による連携組織が県内各地に33グループあり、県産材住宅づくりに取り組んでいる。県としては、外材を主に取り扱ってきた工務店などに対しても、こうしたネットワークへの参画を積極的に働きかけていく。

 


9月県議会で一般質問(4)

3 森林の整備・林業の振興について(その1)

(1) 災害に強い森林づくりについて

・ 8月には岡谷市で土石流により死者が出るなど、近年は局地的な豪雨災害が多発している。

・ 平成18年にも岡谷市で土石流が発生して、8名が亡くなっている。

・ 岡谷市の2つの災害の共通点は、同じ里山の崩落が原因である。

・ 私は防災対策のために、砂防施設などのハードの対応と並行して、災害に強い森林づくりのために、長期的な視野に立ってあらゆる効果的な対策を講じなければならないと考える。

・ 災害に強い健全な森林づくりのために、直根による植林が効果的との提案もされている。

Q 豪雨災害が多発している中で、人的・物的被害をできるだけ小さくするために、災害に強い健全な森林づくりが求められているが、今後どのように進める方針か?

A(知事)

平成18年に諏訪地域を中心に発生した豪雨災害を契機として、「災害に強い森林づくり指針」を平成20年に策定。この指針に基づき、立地環境に適した樹木を育成する適地適木や、間伐による適正管理により根の張りのしっかりした幹の太い森林に導く取組を行ってきた。今後は流域治水の観点からも、河川の上流域における機能の低下した森林をターゲットに、森林の土砂災害防止機能や水源涵養機能を維持向上させるため、治山施設設置と森林整備とを一体的に実施することにより、森林の強靭化を図る。

 


9月県議会で一般質問(3)

2 グローバル人材の育成について

・ グローバル人材には、コミュニケーション能力が求められるが、私は手段としての英語力だけではコミュニケーション能力を高めることはできないと考える。

・ 私は、世界で活躍する人材も重要であるが、地方創生の面から地方で活躍するグローバル人材の育成が重要と考える。

・ グローバル人材を育成する方法として、異文化を理解するための学習や体験が効果的であり、これを実現するために海外留学は一つの有力な手段である。

・ 長野県の高校生の海外留学者の割合は現在1.2%程度となっているが、全国平均を下回っており更に増加させる必要がある。

 Q1 私は、グローバル人材とは広い視野を持ち、常に長期的な視点を持って、柔軟な発想ができる人と捉えているが、知事はグローバル人材をどのように想定しているのか? また、グローバル人材の育成のために、県ではどのような施策を行って来たのか? 現状の県の施策の課題をどう捉え、今後どのように進めていく方針か?

A1(知事)

グローバル人材については、酒井議員と同様の人材を想定している。世界の文化や生活習慣などは様々であり、そうした多様性を受け入れ尊重することができる人材が重要。世界の国々の色々な価値観を持つ人たちと交流する中で、新しい価値を創造していく能力が必要になる。手段としての語学力は一定程度必要だが、それ以上に伝えるべきものを持っていることが重要。子どもたちには、日本・長野県や各地域の歴史や文化もしっかり身につけてもらいたい。県としては、グローバル人材の育成に向けて教育委員会とも連動しながら進める。

 Q2 県ではグローバル人材育成の一環として、「信州つばさプロジェクト」により、高校生の海外留学に対する支援を行っているが、今後留学生をどのように増やしていく方針か? また、これからの世界はアジアの時代になることから、アジア地域を対象とする留学を奨励すべきと考えるが、どのように対応する方針か?

A2(教育長)

コロナ禍により留学は実施できていない状況だが、海外渡航が許される状況になればプロジェクトを再開し、留学生の増加を目指す。

留学先は身近なアジアの異文化に触れて学ぶことを奨励しており、今後もアジア地域を対象とする留学を進めていく。