奇跡の一本松

28,5,10奇跡の一本松5月10日(火)に宮城県気仙沼市の復旧・復興状況の調査を行いましたが、気仙沼市に隣接する岩手県陸前高田市も調査することができました。

気仙沼市を北上し陸前高田市に入ってしばらくすると気仙町の広田湾に面した海岸があり、そこに「奇跡の一本松」があります。

ここは津波で被害を受ける前は7万本もの松が生い茂り、「高田松原」として陸中海岸国立公園に指定された景勝地でした。

唯一津波に耐えて立ったままに残った1本の松(高さ28m)を保存しようという運動が立ち上がり、1億5千万円もの寄付を得てモニュメントとして再び元の位置に立てられています(写真は一本松と海側に築かれた巨大な堤防)。

この地域では14mもの津波に襲われ、集落が一瞬のうちに消滅してしまいました。

現在10m以上の盛土がされており、今後は公園や農地として整備されることになっています。

被害を受けた集落は、高台に集団移転することになっていますが、現在はほとんど移転が進んでいません。

湾内にある島の存在によって津波の力が弱められた気仙沼市と、直接津波の力を受けた陸前高田市では、被災と復興の状況がかなり異なります。

少しずつではありますが着実に復興が進んでいる気仙沼市に対して、陸前高田市では復興はこれからという状況です。

陸前高田市の皆さんには、津波に耐えて残った陸前高田市の一本松から、希望の象徴として勇気とエネルギーをもらい、震災に立ち向かって見事に復興を果たしていただきたいと願います。