小学校「道徳」教科書で「パン屋」はダメ?

 

来年から「道徳」の授業が小学校で始まります。中学校は再来年からになります。

道徳の授業に使用する教科書の文科省検定が行われ、東京書籍の小学校1年生用の教科書に、一部不適切な表現があるとして文科省から指摘を受け、東京書籍では表現を変更して検定に合格したとの報道がありました。

「にちようびの さんぽみち」と題した教材の中の「パン屋さん」という表現が、道徳で教える基準(小学校1・2年生は19項目)の一つの「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つこと。」に適合していないというのが、文科省の見解です。

これを受けて会社では、「ぱんやさん」を「おかしやさん」へ、つまり「パン屋」から「和菓子屋」へ変更したのです。

なぜ「パン屋」ではいけないのか、庶民感覚からすれば理解が難しいのではないでしょうか。

「パン屋」は全国のどこの町にもあり、パン食は国民に定着しており、パン屋を職業にしようとする人も多くあります。

道徳の教科書化については、これまで賛否を含め様々な議論がありましたが、平成26年の中教審答申を受けてようやく実現したものです。

道徳教育は、適切に行わなければなりませんが、教科書の内容については、教科書会社にある程度の表現の裁量を認め、過度に文科省が干渉しない方が良いと考えます。