月別アーカイブ: 2020年7月

議会一般質問の提案が実現

6月23日に、6月議会定例会で「新型コロナに関する諸課題」について一般質問を行いました。

その中で、「新型コロナに対応するための県組織」について提案を行いました。

私の質問・提案に対する知事の答弁は、次のとおりです。

Q1 新型コロナウイルス感染症をはじめ、将来の新たな感染症に係る危機管理体制を充実するため、感染症対策を担う専門の課を、健康福祉部内に早急に設置することを提案するが?

A1(知事) 新型コロナ対策として、ピーク時には職員には過大な負担があった。感染症対策は感染拡大時には業務量が飛躍的に増大する。

今後の県内の感染拡大に備えて、独立した専門の課の設置も含めて万全な体制を検討する。

Q2 保健所の職員数が減少し特に保健師が不足している中で、健康危機管理に対する体制は十分ではなく、特に感染症発生時に迅速にかつ的確に対応するためにも、保健所の組織を充実することを提案するが?

A2(知事) 第2波を想定し、対応に必要な人員を算出した上で、業務の外部委託やクラスター対策チームの設置等を行う。

これからの感染症対策に重要な役割を果たす保健所の体制整備に係る計画を策定して、組織体制の充実・強化を図る。

 

こうしたやり取りを経て、8月1日に健康福祉部に新たに「感染症対策課」が設置されることになりました。地域医療担当部長がこの課の業務を所管し、感染症に関する部内統括と部局間調整を行い、61人体制でスタートします。

また、この課には集団感染に対応するための「クラスター対策班」を設けます。

これまで、感染症対策は「保健・疾病対策課」が行っていましたが、感染症対策に特化した課を設けることで感染症対策が充実します。

合わせて現在の「保健・疾病対策課」の業務(母子・歯科保健、がん対策、心の健康、自殺対策、難病対策など)も充実することになります。

保健所に関しては、保健師の増員や業務の一部委託などを進めることになりました。

コロナの第2波・第3波の襲来も予想される中で、感染症対策の更なる充実が課題となっていましたので、この度の県の迅速な対応については高く評価するものです。

議会での提案が実現したわけで、私としては大変嬉しく思います。

なにより、組織の改正によりコロナをはじめ感染症対策が充実することになり、県民の安全安心につながるものと考えます。

今後も議会の一般質問などを通じて、県民福祉の充実のために政策提案をしていきたいと考えています。

 


6月定例会で一般質問(7ー最終)(国道153号「伊駒アルプスロード」の整備について)

6月23日(火)に一般質問を行いましたので、主な内容について報告します。

今回は、国道153号「伊駒アルプスロード」の整備についてです。

 

・ 長野県の長年の懸案事業である国道153号「伊駒アルプスロード」の事業化が今年の3月31日に正式に決定し、全区間にわたって国により事業が施工される。

Q1 今後の事業進捗のスケジュールを、どのように想定しているのか?

A1(建設部長) 事業を実施する国土交通省によると、今年度より測量・地質調査・設計に着手し、次年度以降工事の施工に向けて用地の取得を進めていく。

県としては、今後沿線の市や村と連携した体制の構築を図り、国に対して地元調整及び用地取得事務への積極的な協力を行う。

Q2 これまでの都市計画決定などの諸手続きを経る過程で、地元から出された要望や地元と約束した事項について、どのように実現していくのか?

A2(建設部長) 住民からの意見・要望に対しては、取り付け道路の変更等をはじめ地元の市・村との調整を始めている。

事業主体となる国と一緒に計画を進める中で、住民に対して丁寧に対応していく。

Q3 国道153号「伊駒アルプスロード」の整備への意気込みを伺う。

A3(知事) 伊那谷地域の振興はもとより、リニア中央新幹線の関連事業としてその開業効果を長野県全体に波及させていくことが重要であり、早期整備が必要と考え取り組んできた。

県としては、伊那バイパスをはじめ関連する道路の整備に引き続きしっかりと取り組んでいく。国・沿線市町村と連携を図り、一日も早い「伊駒アルプスロード」の全線開通に向けて取り組む。

※ 地元の皆さんが心配している地元意見や要望への対応については、県が責任をもって対応することが明確にされました。


豪雨災害とダム建設について

7月上旬から降り続いた豪雨により、全国各地で甚大な被害が発生しました。昨年の台風19号に続いての大災害となりました(写真は台風19号の時の三峰川の濁流)。

熊本県では球磨川が氾濫し、老人福祉施設の入所者をはじめ多くの犠牲者が出ました。

球磨川に関しては、過去に球磨川支流の川辺川への多目的ダム建設を巡り、大きな議論がありました。

地域や県知事の反対を受けて、2009年には当時の民主党政権が計画を中止したことから、事業実施とはなりませんでした。

しかし、「特定多目的ダム」としての計画の廃止手続きは行われていないため、計画自体は現在も存続しています。

今回の災害を受けて、国によるダム計画の検証を行うことが検討されており、検討結果次第ではダムの建設計画の議論が、再燃する可能性があると報道されています。

当時はダム建設を推進すべきとの声もあったことから、今回の災害を受けて地元からは「もしダムがあったら」との声も出ているようです。

さて、長野県ではかつて田中知事が「脱ダム宣言」を行い、大きな議論が起きました。

この宣言の影響を受けたのが、天竜川の支流である三峰川上流の当時の長谷村地籍に計画していた「戸草ダム」です。

このダムの建設計画は、天竜川の治水を目的に三峰川総合開発事業の一環として昭和63年に着手されました。

田中知事は「脱ダム宣言」を実行に移し、2001年(平成13年)には戸草ダムに関して、工業用水と発電に係るダム使用権の取り下げ申請を国に行ったため、事実上ダムの建設は進められなくなりました。

その後平成21年には天竜川水系の河川整備計画が策定され、戸草ダムについては「今後の社会経済情勢等の変化に合わせて建設時期を検討する」こととされました。

このダムに関しては、すでに水没地の用地買収が終了し、居住者はやむなく故郷を捨てて移転しており、いつでも計画を復活できる状況にあるのです。

近年の気候変動によるゲリラ豪雨の多発は、これまでの常識というものを覆すものであり、災害を最小限に抑えるためにあらゆる手段を取らなければなりません。

私は、「戸草ダム」については計画を中断した時の社会経済情勢とは大きく変わっていることから、「建設時期を検討する」段階に入るべきと考えます。

合わせて自然エネルギーの活用のために、ダム建設時には県企業局などにより水力発電所を併設すべきと考えます。