月別アーカイブ: 2019年6月

県外調査を実施(その4:木質バイオマス発電所)

6月4日(火)から6日(木)にかけて、自民党県議団の県外調査が実施され、これに参加しました。

今回は、茨城県にある施設等を調査しました。主な調査内容について、複数回に分けて報告します。

第4回目(最終回)は、神栖市にある「神之池バイオマスエネルギー㈱」が経営する「神之池バイオマス発電所」(写真は燃焼装置)です。

この会社は、中国木材㈱(本社広島県)と三菱商事㈱の共同出資により平成17年に、中国木材㈱鹿島工場内(神栖市)に設立され、営業開始は平成20年です。

中国木材㈱は、住宅構造材の国内最大のメーカーで、輸入米松材や国産杉材などを活用しています。鹿島工場は、太平洋に面しており輸入材の運搬に非常に便利です。

製材工場では、製材工程で端材等が毎日大量に発生するため、この端材等を燃料にしたバイオマス発電所を建設しました。バイオマス発電所は工場の敷地内に設置されていることから、端材等の輸送コストがほとんどかかりません。

その上、平成24年に電力の固定価格買取制度(FIT)ができてから、発電所からの電力を販売することにより、大きな収入を得ることができるようになりました。

燃料は、バーク(木の皮)、生オガ粉、乾燥オガ粉ですが、バークのウエイトも高くなっています。輸入材から発生するバークは貴重です。

発電出力は21,000KWで、バイオマス発電所としては国内最大規模です。発電所で発生した蒸気も販売しており、電力(24円/KWh)と合わせた販売収入は月額2億6,800万円にもなります。

現在燃料が不足しているため、外部から端材(チップ)を購入したり建設廃材を受け入れるなどして、燃料の約3割を外部に依存しています。

工場では、いかに安定的に燃料を確保するかが課題だとしています。

長野県では、現在塩尻市で民間製材会社によるバイオマス発電所(発電出力は14,500KW)の建設が計画(信州F―POWERプロジェクト)されていますが、燃料の安定確保と燃料の輸送費をいかに抑えるかが課題です。

神之池バイオマス発電所は、立地条件を活かすことにより安定経営が実現できていますが、長野県の計画には不安もあります。

県では既に25億円もの補助金を事業主体に交付していることから、失敗は許されません。


県外調査を実施(その3:カシマサッカースタジアム)

6月4日(火)から6日(木)にかけて、自民党県議団の県外調査が実施され、これに参加しました。

今回は、茨城県にある施設等を調査しました。主な調査内容について、複数回に分けて報告します。

第3回目は、鹿嶋市にある県立カシマサッカースタジアムです。ここは、サッカーJ1リーグの強豪「鹿島アントラーズ」のホームスタジアムです。

このスタジアムは、県が地域活性化を目的として一流のサッカーチームを作るために建設したものです。

かつて鹿島アントラーズは2部のチーム(住友金属蹴球団)でしたが、収容人数1.5万人で屋根付きのサッカー専用スタジアムを建設することにより、1部に昇格を果たしました。この時の県の判断は、先見性があったと思います。

当初の施設は平成5年に建設されましたが、平成13年にはワールドカップを開催するために、増築を行って収容能力を大幅に拡大(1.5万人→4万人)しました。

フィールドは天然芝(当初冬芝→夏芝に変更)で、アンダーヒーティングシステムになっています。駐車場は2600台分あり、他に民間の駐車場が9600台分あります。

東日本大震災では大きな被害を受け、14億円を投じて施設を復旧しています。

スタジアムの運営は、㈱鹿島アントラーズFCが県の指定管理者制度により行っており、年間5700万円を管理料として県から受け取っています。

指定管理者にサッカー運営会社を指定した県の判断は、適切であったと思います。県の直営では、この程度の費用ではとても賄えないと推測されます。

会社にとって収入の確保が大きな課題であり、自主事業に力を入れています。サッカーミュージアムを開設し、ウェルネスプラザ(健康事業)を運営し、クラブのチームドクターによる整形外科医院も経営しています。整形外科医院は医師が2名常駐しており、毎日多くの市民が訪れています。

収入確保の一環として、施設の「ネーミングライツ」を募集する計画もあります。

このスタジアムは、東京五輪のサッカー会場(全7会場)にもなっています。また、今年開催される茨城国体の、成年・少年男子のサッカー競技会場にもなっています。

鹿島アントラーズは、国内3大タイトルで最多優勝を誇り、J1リーグ三連覇を果たした唯一のチームです。

強いチーム作りと会社の安定経営の実現に向けた関係者の意気込みは並々ならぬものがあり、日々努力している姿は大変参考になりました。

今回の調査で、地方都市のチームでも立派に活躍できることが良く理解できました。


県道整備を要望

6月14日(金)に、県道「沢渡高遠線」の整備に関する地元区の要望が伊那市役所と伊那建設事務所で行われ、地元県会議員として同席しました。

この要望は、地元である東春近原新田区長と富県貝沼区長から市長と伊那建設事務所長に対して行われたものです(写真は伊那建設事務所長への要望)。

 

この県道は、国道153号(伊那市西春近沢渡)と国道152号(伊那市高遠町小原)を結ぶ主要道路ですが、一部区間が未整備のため幅員が狭く危険な個所があります。

今回要望した箇所は原新田地籍から貝沼地籍に至る延長900mの区間で、現在は1車線道路で歩道も付いていません(写真は歩道が途中で途切れている現場)。

この区間は、高校生や小中学生の通学路になっており、車道を自転車や徒歩で通行しますが、トラックなどの大型車両が通行するため、朝夕は非常に危険な状態です。

要望箇所の西側は既に整備済みで、東側は現在県により改良工事が行われています。この箇所だけが中抜けの状態であるため、早急に整備する必要があります。

また、この区間には現在計画している「国道153号伊駒アルプスロード」(駒ケ根市北の原~伊那市美篶青島)が交差する予定であり、国道が整備されれば県道へ車両が進入して交流量が格段に増加するため、この県道の拡幅改良が必要になります。

安全安心な道路環境の確保のために、私は今後要望箇所の整備促進に向けて活動します。