農業経営者と懇談

9月26日(火)に伊那市で、長野県農業経営者協会上伊那支部と上伊那選出県会議員との懇談会が開催され出席しました。

この会は、上伊那地域の農業の現状や課題について懇談し、認識を共有することにより地域農業の発展を図ろうと、毎年開催しています。

会では、まず代表農家3名から問題提起があり、これに基づいて意見交換を行いました。

① 農業所得の向上について

【農家】 農業者は農産物の販売価格を決定できないし、コストの転嫁もできない。燃料、飼料、肥料、資材等の価格が高騰する中で、経営が大変厳しい。

【酒井】 基本的には構造的な課題。消費者に対して、農業の重要性や食料の安定供給、価格への転嫁の必要性を理解してもらうための情報発信が必要。これは地方にできることではない。国会において真剣に議論して欲しいし、農協という大きな組織を使って、発信していくことが必要である。

② 燃料、資材・飼料高騰に対する支援、担い手の育成と確保について

【農家】 資材等の価格の高騰の影響は大きく、規模の大きい経営体でも、規模のメリットは出せない。担い手として、新規就農を進める必要がある。この場合、半農半〇的な経営も伊那谷には適している。兼業農家の経営維持が重要。

【酒井】 新規就農については、受入れ地域が住居や経営指導などを支援する環境にないとうまくいかない。親元就農はメリットが大きいので、これに対する支援策を充実すべき。兼業農家は、所得を無視して農地の保全や集落の維持に貢献しており、担い手として重要に位置付けるべき。法人経営においても、作業員はほとんどが兼業農家であり、兼業農家無くして法人経営はできない。

③ コロナにも災害にも負けない長野県農業について

【農家】 コロナや災害の影響は大きいが、前向きに捉えて経営を改善することが必要。都会の姉妹都市に、農産物を売り込む工夫はあっていい。修学旅行の受入も農家にはメリットがある。知事のトップセールスによる長野県農産物の売り込みを期待する。

【酒井】 姉妹都市の住民に対する売り込みの努力は今後の課題である。努力すれば必ず、安心して買ってもらえる。価格高騰やコロナから得た教訓を、今後の農業経営に生かしていくことは非常に重要である。例えば、輸入飼料の高騰に対応して、自給飼料の生産を拡大するなどの取組は非常に効果的。