新型コロナと国際協力

新型コロナウイルスの感染は、世界各国に拡大しています。

今後は医療体制が不十分なアフリカ諸国で蔓延し、多くの犠牲者が出ると言われています。

今や、コロナは全世界共通の脅威となっています。

このコロナとの戦いに勝つには、国内の感染を沈静化すれば済むというレベルではなくなっています。

過日、米国トランプ大統領は、WHO(世界保健機関)がコロナ対策において中国寄りだとして、拠出金の停止を表明しました。

WHOは国際的な衛生問題を担当し、感染症などの疾病の撲滅を主要な事業としており、今回のコロナの感染拡大対策では重要な役割を担っています。

救出金は、多い順から米国、中国、日本となっています。米国が拠出金を負担しなくなれば、WHOの運営に多大な影響を及ぼし、コロナによる世界的な犠牲者数を増やすことにつながります。

14世紀にはペスト(黒死病)が世界的に大流行しましたが、飛行機もないなど人の交流には不自由な時代であったにもかかわらず、当時の世界人口の4億5千万人の2割を超える1億人もの死亡者が出ました。

今世界は、人・物・金・情報などが国境に関係なく自由に移動するグローバル化が進んでおり、鎖国的な処置をとってもコロナによる世界的な感染は拡大していきます。

2014年にエボラ出血熱が大流行した時には、米国(オバマ大統領)はこれを鎮圧するためにリーダーシップを発揮しました。米国は、経済も含めて長く世界のリーダー役を果たしてきました。

しかし、現在米国はグローバルなリーダー役を放棄し、自国のことしか考えない「自国第一主義」の国になっています。

そのことが、今回のWHOへの拠出金停止へとつながっています。

世界規模の感染症への対応は、今や1国のみでは無力です。今こそ、国際協力が求められています。今後コロナのような世界的な感染症が、いつ発生してもおかしくありません。

各国が英知を出し合い、正確な情報を共有し、医療資源を出し合うなどの国際的な協力関係を築いていくことが求められています。

今は国難です。政府においては、中国や韓国などとの関係に感情的にならずに、お互いのためにも世界のためにも良き関係を持って欲しいと思います。