三峰川総合開発期成同盟会が総会

8月30日(木)に「三峰川総合開発事業促進期成同盟会」の総会が伊那市で開催され、同会の顧問として出席しました。

この会は上下伊那の市町村で構成され、美和ダム再開発事業と戸草ダム建設の促進を図るために設置されています。

天竜川は「暴れ天竜」との異名がありますが、最大の支流である三峰川は中央構造線に沿って流れ、地質が脆弱なために、集中的な豪雨があると土砂が一気に流下し、下流域に甚大な被害をもたらしてきました。

「天竜川を治めるには三峰川を治めよ」と言われており、三峰川の治水対策は大きな課題となっています。

昭和34年に三峰川総合開発事業の一環として美和ダム(伊那市長谷)が完成したことにより、三峰川下流域の安全性は高まりましたが、昭和36年の「三六災害」や昭和57年・58年の豪雨では大きな被害を受けたことから、美和ダム上流域の防災対策のために、多目的ダムである「戸草ダム」の建設が計画されました。

しかし、その後国や県の方針の転換があり、多目的ダムとしての「戸草ダム」の建設計画は中止となっています。

「河川整備計画」では、戸草ダムについては「将来の社会経済情勢等の変化に合わせ、建設の実施時期を検討する」という方針が示されました。

当面の対応として、美和ダムの再開発事業を三峰川総合開発事業として継続して行うことが決定され、現在事業が進められています。

しかし、昨年の「九州北部豪雨」や今年の「平成30年7月豪雨」(西日本豪雨)など大災害が続いている状況から、全国的な防災対策が急務となっています。

特に、三峰川の源流である南アルプスは地質が脆弱で、豪雨時には「深層崩壊」が発生する危険性も指摘されていることから、三峰川上流域の防災対策を早急に進めなければなりません。

私は、計画が中断している「戸草ダム」の建設に向けた検討を始めることが、三峰川や天竜川の治水のため重要だと考えます。

「戸草ダム」の建設に関係する用地の取得は、既に完了しています。建設に協力して地域外に移転を余儀なくされた皆さんのことも考えると、何としても建設を実現しなければなりません。

そして建設する場合には、自然エネルギーの活用のために水力発電所を併設すべきと考えます。