農業の未来を切り拓くシンポジウム

8月31日(金)に、JA上伊那本所でJA上伊那・上伊那農政対策委員会主催の「日本農業の未来を切り拓くシンポジウム」が開催され、県農協懇話会委員(農協を支援する県議会議員連盟)として出席しました。

農業が様々な課題に直面している中で、地域農業の将来に向けて農村機能をフルに活用しながら地域資源を生かしていくことが求められており、そのために関係者が情報や認識を共有しようと開催されたものです。

まず国会議員による基調講演があり、その後国会議員と参加者との意見交換が行われました。

参加したのは自民党の小泉進次郎:「農産物輸出促進対策委員長」(写真)、鈴木憲和:「農産物輸出促進対策委員会事務局長」、宮下一郎:「野菜・果樹・畑作物等対策委員長」(地元5区選出)の3名です。

小泉進次郎氏は、「これからは農業の時代であり、輸出を含め様々なチャレンジが必要。

2020オリ・パラは日本の農産物や地域の農産物を世界に発信するチャンス。

そのためには、GAP(good agricultural practice =農業生産工程管理。認証を受けると信頼性の向上につながる)の認証を取得することが必要。

しかし、全国的な取組は遅れている。特に長野県は遅れている。オリ・パラの選手村で使う食材はGAP認証が条件となる。

今後の輸出も考慮すると認証取得を急ぐべき。」と述べました。

私は昨年9月の議会定例会の一般質問で「GAP認証取得」について取り上げ、「認証取得を促進するため、取得に要する費用について県が財政支援を行うべき」旨の提案を行いましたが、その時の県の答弁は消極的なものでした。

長野県では、現時点ではGAP指導員は一人もいない状況で、早急に認証取得を促進するための様々な対策を取るべきと考えます。

鈴木憲和氏は、農産物輸出促進対策委員会の考え方を説明し、農産物を輸出しようとする団体などに対する相談窓口(GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト))を農水省に設置したことなどを説明しました。

宮下一郎氏は、自民党「中山間地農業を元気にする委員長(前)」という立場から、中山間地農業の課題と展望について説明しました。

農産物の輸出促進は重要な課題ですが、現在長野県では原発事故に伴う放射能汚染問題で、長野県産の農産物は中国などでは輸入を禁止している状況です。

実際には汚染された県産農産物を輸出することはあり得ない状況であるため、外交ルートを通じて早急に輸入禁止措置を解除すべきと考えます。

輸出促進の前に、すぐにでもやるべきことはあります。