加計学園問題と文書

加計学園(岡山市)が国家戦略特区制度を活用して愛媛県今治市に獣医学部を新設することに関して、特区担当の内閣府から文科省に伝えられた内容を記載した、文科省の文書の存在が問題になっています。

元文科省事務次官がこの件について文書が存在したことを表明し、現職の文科省の職員も文書が存在したことを証言していることから、これまで調査を拒否していた文科省が急遽文書の存在を調査することになりました。

私の市役所勤務の経験からすると、重要な案件について上司に報告したり、判断を仰ぐために文書やメモを作ることは常識です。

ただし、通知文書などの正式な文書はリストに登録しますが、こうした文書やメモは登録しませんので、これが有るか無いかは作成した職員、情報を共有した職員や上司以外には分かりません。

文科省では、リストに登録した文書ではないから「文書は無い」と言っているのでしょう。しかし、こうした文書やメモは伊那市では「文書」として扱っており、情報公開請求があれば公開して来ました。

私は、市役所内部で作成する全ての文書は、いつかは情報公開請求される可能性があること、たとえ情報公開が請求されなくても、内部告発により外部に明らかにされる可能性があると考えていました。

このため作成する文書やメモの内容は、公開に堪え得るものでなければならないし、法令や公序良俗に反しない内容でなければならないと考えていました。

真実は一つです。多くの国民が望んでいるように、文科省は速やかに文書の調査と文書の内容の真偽を明確にすべきと考えます。

その上で、今回の国家戦略特区制度を活用した獣医学部の新設の妥当性について、明らかにして欲しいと思います。