リニアのシンポジウムが開催

3月11日(日)に、伊那市内で「リニア中央新幹線を地域に活かすためのシンポジウム」(上伊那地域振興局ほか主催)が開催され、出席しました(画像はリニア見学センターHPから)。

このシンポジウムでは、JR東海の中央新幹線建設担当から工事に関する近況報告があり、慶応大学大学院教授の岸博幸氏からは「リニア新幹線に向けた伊那谷の未来の作り方」と題して講演がありました。

岸氏は、元経済産業省の官僚でテレビ番組のコメンテーターとしても活躍されています。原村に別荘を持ち、県内の状況もよく理解されています。

岸氏の講演の主な内容は、次のとおりです。

・ リニアが開通したら地域は発展するという考えは幻想である。

・ 開通するまでに、地域で何をするかが重要である。

・ そのためには、地域で「イノベーション」を創出することである。

・ 「イノベーション」とは、新しい付加価値を作りだすことである(技術革新という意味ではない)。

・ 「イノベーション」には、行政や経済界やコミュニティー、住む人々などが、協働して関わらなければならない。

・ 国の地方創生交付金や先端技術産業誘致をあてにしていると、失敗する。

・ 住みたい、来てみたいと思わせる魅力の創出が重要である。魅力を明確にして、発信することが大切である。

・ 他の地域にない地元しかない、文化や環境や歴史などの強みを、再生することが大切である。それが雇用や産業につながる。

・ 伊那谷はポテンシャルがあるが、生かし切れていない。伊那谷は来たくても、外には余りにも知られていない。

・ 各市町村単位の行動では弱く、広域単位での行動が不可欠である。

・ これからの数年間が、特に重要である。

私は講演を聴いて、岸氏が講演の最後に述べた「地域の空気感が大切」ということばが気になりました。

地域でも企業でもレストランでも役所でも、「空気感」がとても大切とのことです。

空気感の良いところに人は集まり、住みたくなるのです。

空気感の良いところとは、気配りや思いやりがあり、居心地が良いところです。

地方創生のカギは、地域の空気感を良くすることにあると考えます。